第16話メールと好感度(笑)

あの奇妙な感覚に陥り、取り敢えずは

落ち着きを取り戻した俺は未だに屋上にいた。

意味が分からないの一言に過ぎる

普通ならあんな状況を見てしまえば、

おとなしく引き下がるはず

特に恋愛関係に首を挟むのは馬に蹴られるだけである。

なら何故あんな行動をしてしまったのだろうか、あの告白を阻止しなければ何か取り返し出来ない事が起きると本能が訴えた。

これが一体なんなのか、ただの思い過ごしに

してはみせごせない様な気がしてならない。

しかし一人で考えても分からない事だらけだ

これは足立さんに話をしてみる必要があるだろう。

こういうとき彼女の様な協力者の存在は

凄くありがたい。

話したとしても何か分かるか分からないが、俺よりは聡明な彼女だ、何かヒント位は

分かるかもしれない

それがなくとも誰かに話すというだけでも俺の精神的にも楽である。

正直これが一人ならどうしようもなく

さっきの現象もなんなのか分からず

誰にも話せず一人で抱えこむには怖くて

仕方ない。

やはり彼女との繋がりは大きいだろう。

ならば話は早いと思い電話は時間的にも

不味いので取り敢えずはメールをしておこう

内容は口で話すには少しキツイので

一つまた新たな謎が出来たので話がしたい

とでも書けばいいか、

気が付けばチャイムがなったので少しは

冷静になってきた頭でどうにか教室に向かう

事にした。


あれ?昼飯食べてなくね?


あれから少し緊張しながら教室へと戻り

正直今は会いたくない『桜井暖人』や

『姫野あかり』には余り目をやらずに

憂鬱な気分で授業を受けた。

さっきの事もあり授業の内容はまるで

頭に入ってこない。

あーこれでもし成績が落ちて落第でもしたら

あいつらを一生呪ってやるとバカな事を思いながらも少しは調子が戻ってきたなと思う。

足立さんも休みだし俺もあんな事があったので今日のところはこれ以上何も起こらない事を祈る。

もうベッドの上へとダイブして愛する布団と

愛を囁きながらゆっくりと寝たい。

もし今布団が可愛い女の子になったらそのまま結婚を申し込みたいぐらいだ。

うむやはりまだ頭の調子は悪いようだ

これはもう駄目だなと思いつつ

先生のありがたいお話を聞いていたら

ふと目に入れたくないが目にはいったのは

『姫野あかり』が教科書を開きながらも前を見ず『桜井暖人』を見つめていた。

気にはなったがもう今日は疲れたので気にしないことにした。


授業が終わり皆が帰っていくなか俺は携帯を

取り出してメールが来ているのかチェックして見ると短い文章で


『了解』


とあったのを見て取り敢えずは安堵をし

今日休んだ事の安否と明日は何処で話をするかの事をメールに打ち込み送信して

俺も教室から出ていった。


ん?何気に思ったがこれって女子との

初メールじゃね?

俺は帰宅してそのあとの彼女の了解メールを

もらいながらも悶えなえていた。

チクショウ!自分の女子に対する免疫のなさが恨めしい!

そう思えばあのイケメンの事がより

いっそう憎たらしく思った。


○○の中で『桜井暖人』の好感度が更に落ちた。




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