第11話御待たせしました
ある意味待ちに待った放課後である。
友達達にも言い訳をして先に帰ってもらっている。
今は足立さんが動くのを待っている。
そして生徒達も帰っていく中、足立さんも席を立ち教室から出ていった。
きっと手紙の場所はへと向かうのであろう。
俺はそれを見てこっそりと後を付いていく。
別にやましい事はしていない。
そうこれは行き先が同じだけである。
自分にそう言い聞かせながら足立さんの背中を追う。
それに途中まで行けば何処へ向かうかもだいたい分かるのでそれが分かれば後は少し時間を置いてそこに向かえばいい。
そして歩いていくと、ある方向へと向かうのがわかった。
そこは旧校舎の裏で滅多に人は来ない場所だ
何故ならそこは所謂曰く付きで、幽霊が出るといった場所だった。
良くある学校の怪談である。
まぁ信じてる奴は余りいないが雰囲気が不気味で誰も近寄らない。
なるほど、確かに隠れて話すにはもってこいの場所だ。
場所もわかった事なのでとりあえず5分ぐらい時間を潰して向かうとしよう。
閑話休題
よし、5分たったな。
これでいなかったら自分のバカさ加減で不登校になりそうだ。
俺は足立さんがいるはずの旧校舎の裏へ
さて、鬼が出るか蛇がでるか正直どっちも出てきてほしくないが動かない事には何も進まない。
そして旧校舎の裏に着くと噂で聞く用に少し不気味な雰囲気が漂っていた。
足立さんを探しながら日が出てるのにこれなら夜はもっと不気味なのだろうと思っていたら一際目立つ大きな木がそこにそそり立っていた。
こんな木が旧校舎の裏にあったのかと見上げ少し固唾を飲みふと視線を下に写すと
足立さんが其処にいた。
不気味な雰囲気の中、大きな木に寄りかかり空を見ている彼女は回りの雰囲気と儚げな姿が合わさりなんとも幻想的だった。
まるで小説の一文を抜き取った用な
そんな姿に見蕩れていたら彼女が此方に気が付いた。
「○○君」
その声で我にかれる。
ようやく始まる
ここまでは例えるならただただ長いプロローグの用なものだ。
これからが俺と彼女の奇妙な物語の始まりだ。
一言いうのであればあえてこう言おう。
『御待たせしました』
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