第10話校舎の裏は告白スポット
手紙にはただの業務連絡の用な書き方で淡々と放課後に校舎の裏と書かれていた。
だが待って欲しい、この高校は部活動に力を入れており中々広い。
他の高校の倍ぐらいには広いだろう。
それだけ期待も大きい。
その為数々の賞やトロフィーを取っている。
因みに俺は帰宅部のレギュラーである。
正直この手紙の内容だけで何処の校舎裏に行けばいいのかわからない。
もしかしたら足立さんはドジっ娘なのかもしれない。
それはそれで見た目とのギャップで可愛いらしくていいのだが、今はそんな事を考えているときではない。
向こうから接触してきたのだ。
このせっかくのチャンスを逃すのは痛い。
今はちょうど昼休みである。
此方から足立さんに会いに行き何処の校舎裏なのかを聞くべきか?
いや、こうして手紙を使ってしかも二人きりの時にコンタクトをとったということは
誰にも聞かれたくないし人前での接触は
駄目なのかも知れない。
決して俺と一緒にいるのを誰かに見られたくないなどといったことではないと思う。
いや思いたいです。
確かに接点は皆無に等しいがそれだけは流石に傷付くというか泣ける。
ならばどうするか、足立さんが放課後その校舎裏に向かう時に後を追えばいい。
そうすれば足立さんのいる所へと行ける。
なんだかストーカーの用な気がするが
そこら辺は深く考えないようにしよう。
後は友達にどう言い訳をするかだ。
放課後に言ってたら足立さんを見失うので
休み時間の間に言えばいいか。
よしそれでいこう。
しかし気になるのは内容だ。
これが告白なら声を大にして今頃は大はしゃぎしているがそれはない。
後はイタズラか?
それにしてもこのタイミングは可笑しすぎる。
やはり昨日の事と考えるのが妥当だろう。
もし俺と同じ境遇なら二人で何か分かるかも知れない。
わからないにしても同じというだけで精神的に少しは楽になる。
なんにせよ話をしない限りは何もわからない。
よし!と心で決心をかためて迎え来る放課後へと気持ちを切り替えた。
あとで気づいたが足立さんに何処の校舎裏か
などの手紙を書いてこっそり渡せばよかった
のでは?
恥ずかしい!!
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