第9話ラブレターかと思った残念これが現実です!

朝、目が覚めて布団の誘惑に打ち勝ちなんとか起き上がりそして学校へと行く支度をして

リビングに向かう。

両親は夫婦揃って社畜で忙しい事もあり朝にいることは滅多にない。

ただ朝食は作ってくれているのでありがたい。

朝食を食べながら昨日の事を思い出す。

もしかしたら昨日のは夢みたいなものなのではないか?

それとも今日になり元の世界に戻ってきたのでは?

と淡い期待を胸に朝食を終えた。

確かにない話ではない、学校に行けば元の用に普通で平凡な日常が待ってているのではないかと。

ならば尚更その真意を確かめるべく何時もより早くに家を出た。

登校中も疑心暗鬼になりながら色々な憶測を考えていたらどうやら学校についたようだ。

ネガティブな考えをやめていざ我が教室へと足を進める。

そして教室の前に立ち軽く深呼吸をして扉を開けた。


しかし教室には誰もいなかった。

あれ?と思い時計を見るとまだ生徒が来るには早すぎだった。

そうだ俺今日何時もより早く出たんだった。

それはまだいないよね。

早い生徒でもまだ10分はかかるだろう。

とりあえず自分の席に座りいつもなら友達と談笑か本を読む所だがいかんせん友達はまだ来てないし、本を読む気分でもない。

うーんと昨日の事を考えるにしても情報が足りないし、とりあえずまずは足立恵に接触をしなければどうしたものかと考えていたら

ガラリと扉が開いた。


誰だと思いふとそちらに目を向けると今一番会いたいと思っていた足立恵がそこにいた。

彼女は此方をチラリと見ると自分の席へと向かっていった。

因み彼女の席は俺から見てちょうど右斜め前である。

はっきり言おう。

めっちゃくちゃ気まずい!!

いや確かに会って話をしようと思っていたけどまさかのこのタイミング!?

お互いに無言で俺なんか窓の方を見て雲がきれいだなぁとか軽く現実逃避している。

対して彼女はなにもせずただただ席に座り微動だにしない。

まだ心の準備が出来てないよ!

というか足立さん席近かったんだね!

気が付かずにごめんなさい!

などと頭がパニックになっていると足立恵が

立ち上がりいきなり此方へと向かってきた。

なんだ!?

と思っていると足立恵はノートの切れ端で作った手紙を俺に渡してまた自分の席へと戻った。

頭が追い付かないまま何故手紙を渡したのか聞こうとしたら他の生徒がタイミング悪く入ってきた。

もちろんその中には桜井暖人もいる。

完全に聞きそびれた。

それと同時に桜井がいるということは夢でも元の世界に帰ってきた訳でもないという事だ。

頭が痛くなるのを感じつつとりあえず友達に軽く挨拶をして俺は足立恵に貰った手紙を読んだ。



『放課後、校舎の裏で』


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