第5話考えている人
売店で買った焼きそばパンとメロンパンを食べながら自動販売機で買ったコーヒーでパンを流し込む。
何時もなら友達と談笑でもしながら昼飯を食べるところだが今日はその誘いを断り屋上で
今の状況を把握しなくてはならないので
一人で考える。
午後の授業が終わり昼休みに入った。
その間俺は彼女が言った一言が頭から離れなかった。
確かに聞こえた。
「こんな人いなかった」
あれの意味はなんだったのだろうか?
今の現状を考えたら俺と同じこの現象を認知しているのか、それとも何か別の事なのか
考えれば考える程、訳がわからない。
彼女は同じクラスで特に目立った人ではなく言い方は悪いが特に特徴はない。
強いてあげるなら委員長だ。
確か名前は足立恵だったはず
あの言葉の真意はなんだったのか
もし俺と同じ境遇なら話をしてこの現象について一緒に考えてほしい。
だが接点はまるでない。
だから此方から声をかけるのは躊躇してしまう。
つまり手詰まりである。
だがなんとしても彼女と一度は話をするべきだ。
だがもし俺と同じではなかったらただの痛い人で終わりである。
そうなると唯一の手掛かりなくなってしまう。
しかしこれが同じであれば二人でこの現象に付いて話をするの事ができる。
もちろんそれで解決するとは思わないが
一人で居るより二人の方が気持ち的にも楽になる。
問題はどうして彼女と接点を持つかである。
今まで同じクラスというだけでいきなり声をかけるのはおかしい。
どうしたものかと考えていたらチャイムが鳴りいつの間にか昼休みが終わっていた。
結局収穫どころか何も思いつかず終わってしまった。
重い腰を上げて教室へと戻る。
戻る最中後ろから
「あの○○君だよね?」
振り向くとそこには俺がどうやって接点を採ろうと考えていた足立恵がいた。
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