6-10 さらなる広がり
—美紀の合図に従って、部屋の外で待ち構えていたスタッフらしき5人が部屋の中に入ってきた。
「こちらが月曜日と火曜日のピアノ教室担当の
—美紀がそこまで話した丁度その時、眼鏡をかけた一人の青年が部屋の中に入ってきた。
「先ほど戻ったところで、遅れてすみません」
そう言うと青年は頭を下げた。
「こちら、甥の佐久間宏樹。音響に詳しくて、経理や事務やクリーニングなどの雑用全般と車の運転手を引き受けてくれているの。宏樹、こちら高木真智子さん。多岐さんの後任でもうすぐスタッフで入る予定よ」
「高木真智子です。今、桐朋短大2年生で卒業するまでは時間の都合がつく日に来てお世話になると思います。これから少しずついろいろなことを覚えていきたいと思いますので、よろしくお願いします」
真智子は深々とお辞儀した。
「真智子さんには先ずは萌香と仲良くなってもらって、レッスンも開始しようと思っているの。ですから、何か聞かれたら、少しずつ教えてあげてね」
「美紀先生、わかりました。高木真智子さん、まとめ役の上田香織です。桐朋大を卒業しています。スタッフ一同、美紀先生のお孫さんとして萌香ちゃんのことはとても大事にしてますので、仲良くしていきましょう。これから、よろしくお願いします。それで、早速ですが、美紀先生も真智子さんと呼んでますし、私たちも真智子さんと名前で呼んでいいでしょうか?ここでは一般的な苗字ではなくて、名前で呼び合うのが美紀先生の方針なんです」
「もちろん、名前で呼んでください。他にも何かありましたら遠慮なく言ってくださいね」
「えっと、それなら、スタッフのグループページに携帯電話で登録してもらえると、今後、連絡が取りやすくなるので、登録をお願いしてもいいですか?今から招待しますから」
「はい、よろしくお願いします」
真智子は上田香織と携帯電話で連携し、サクマピアノ教室のグループページにメンバーとして登録した。
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