第9話 感情よりも・・・

 法や規則がこの世に存在している。過去の経験や法則が活かされて同じことを繰り返さないようにしている。巷で騒いでいる現象も、冷静にみれば過去に起こったことと変わりないのであろう。脳が忘れる仕組みになっているのだから忘れないように明文化している。

 感情的になるよりも冷静に事を見極めているかどうかだ。獲物を狙う動物は、まず相手の動きをじっくり見る。そして、じっくりの間に相手の行動パターンを読む。これが一番大事なんだろう。用意周到な計画が、獲得できる確率を上げる。これを無くして無暗に行うのが無謀だ。現象の問題は何かをじっくり考えるのは、格上の人たちの仕事だ。

 絶望や圧倒的な力への望みにゆうたろうの気持ちが導かれるのは、刹那的な感情のカタルシスだ。想像を働かせ、まるで浄化できたような感情になる。

 それほど現実に絶望しているのだ。そして、自分の無力さを感じているのだ。うぬぼれという評価じゃない。男としての弱さが出ている。優劣をつけるなら劣だ。欲望があっても執念を燃やして獲りに行こうというものがない。努力するとか力を入れる意識を無意識感覚でやってみると持続力が出てくる。そして、やりつづけて執念の意味がわかってくる。物事の「入り」が悪いということだ。初めに力いっぱいにする心がけをもつと、マックスの基準になる。それ以上の気持ちが続かないのである。しんどいからである。手抜きをしらないだ。途中であきらめると周りからの評価が下がり格付けがされる。それが気にくわないために頑張る。でもこの感情は今になればトップに掲げる理由ではない。むしろ、ただやり続ければいいという感覚で良かったんだ。そこに感情はない。気持ちがフラットなだけである。

 それを今、つくづく感じるわけだ。

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