第8話 正体不明

 厭世、無目的、無責任、俺は何なんだろう。俺は何を世の中に売っているのだろう。まじめ、誠実、執念、何もハマらない。だから、正体不明なんだ。自分の遺伝子が、今現在行っている仕事にマッチングできておらずアイドリング状態になっている。だれでもやる気はある。そのやる気を起こさせる対象が必ずあると信じている。それを探すのが宝さがしと同じで、地図が遺伝子とすれば、その遺伝子は何にヒットしてくれるのか、様々な経験をしないといけない。それが一番大変である。教えてくれるのは、自分か他人。それぞれ失敗のリスクはある。しかし、それが人間。成功率100%はない。

 あっ、今気づく。正体不明は自分だけではわからない。他人の目から評価し、そして、機械のデータからはじき出される性格診断で全貌が見えてくる。その先の本当の自分は、冷徹に己が考えて作り出されるものだ。遺伝子は「気づく」というヒントを与えてくれる。そこにアンテナを伸ばして受信できる状態にしておく。ヒントが来たら行動してみたらいい。それが即効性があろうとなかろうと、成功しようがしまいが、考える余裕はあまりない。問題は、失敗したときの立ち直り方である。セルフトークで反省をする。気分転換を図る。人間観察をする。他人に語る。喜怒哀楽が失敗の衝撃意識を薄く延ばしてくれる。いつまでも意識が強くならないように体はできていると思うのだが、意識強い系はある。それも立ち直り方次第である。

 

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