第4話 希望が見えるのか?

「何をどうしたらいい?」

「わがままだ!」

「自主性がない!受身的で世の中を渡れるか?」


そういうことじゃあない!ただ聞いてくる人がいない。言っては言葉を遮られ聞いてくる。たわいない話じゃないか、ただ1個人の愚痴話だろ?真面目に聞いて性格が変わると思い込んでいるのだろうか。

ゆうたろうは、疲れると独り言を発する。口調はゆったりでも内容は激しい。今までの生き方が物語っているのだろう。車の中、寝床、風呂、ふとしたところで心が自分を抉り出して、言いたい放題になる。

 まわりの景色はきれいに変化する。車で運転すると景色が移ろっていく。でも心は変わらない。余裕がなく、利己的である。

 自分と対決している相手が複数いる。形あるもの、ないもの。それぞれに一戦交わって、瞬間に相手が変わり戦う。長期戦であり勝敗が決しない。そりゃあ疲れるわ。人生の戦略がなく、ただ目前の目的しか戦術を使って勝敗をつける。人間って何をする動物なんだろう?人間として認められているのに、お前は何をして生きていくのか?生きる上で大切なことは何か?男としてどうなんだ?

 なんとかなると開き直る。現実その年その年で直面する問題を生きることで対処できた自分がいる。目的もない。見つからないんだ。これが本当にやりたいことなんて感じたことがない。ただ生きてきた。で、それのどこがいけないのか?目的があった方がいいよ、となだめるのか?やめてくれ!無責任だ。

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