将棋界の話――ご主人さま、王手です❤――

第４話 今、将棋界最強の10人は誰だ――魔女っ子★ゆきが独断と偏見で決めちゃいます――

１（いち）　最強（さいきょう）の10人（じゅうにん）を挙（あ）げてみる

🐈渡辺明（わたなべ あきら）三冠（さんかん）(棋王（きおう）・王将（おうしょう）・棋聖（きせい）)

🐱豊島将之（とよしま まさゆき）竜王（りゅうおう）名人（めいじん）

😸永瀬拓矢（ながせ たくや）二冠（にかん）(叡王（えいおう）・王座（おうざ）)

😹藤井聡太（ふじい そうた）七段（しちだん）

😻木村一基（きむら かずき）王位（おうい）

😼羽生善治（はぶ よしはる）九段（くだん）

😽広瀬章人（ひろせ あきひと）八段（はちだん）

🙀佐藤康光（さとう やすみつ）九段（くだん）

😿菅井竜也（すがい たつや）八段（はちだん）

😾斎藤慎太郎（さいとう しんたろう）八段（はちだん）

１位（いちい）　渡辺明（わたなべ あきら）三冠（さんかん）(棋王（きおう）・王将（おうしょう）・棋聖（きせい）)

　現在（げんざい）の将棋界（しょうぎかい）最強（さいきょう）は渡辺明（わたなべ あきら）三冠（さんかん）でほぼ間違（まちが）いありません。

　竜王戦（りゅうおうせん）九連覇（きゅうれんぱ）を筆頭（ひっとう）に、ここ十数年間（じゅうすうねんかん）は常（つね）に羽生善治（はぶ よしはる）九段（くだん）とトップの座（ざ）を争（あらそ）ってきた実績（じっせき）、信頼感（しんらいかん）は抜群（ばつぐん）。

　近年（きんねん）のタイトル戦（せん）での挑戦者（ちょうせんしゃ）有利（ゆうり）の状況下（じょうきょうか）でも、ただひとり防衛（ぼうえい）に成功（せいこう）しているイメージがあります。

　他（ほか）のタイトルホルダーは、防衛（ぼうえい）したことないですから。

　棋界随一（きかいずいいち）の戦略家（せんりゃくか）で、細（ほそ）い攻（せ）めを繋（つな）げる技術（ぎじゅつ）もナンバーワン。堅（かた）く囲（かこ）って攻（せ）めるのを得意（とくい）としつつも、『ついていけてない』と言（い）っていた雁木系（がんぎけい）の将棋（しょうぎ）にも見事（みごと）対応（たいおう）。

　現在（げんざい）の将棋界（しょうぎかい）で、頭（あたま）ひとつ抜（ぬ）けている感（かん）があります。

　藤井聡太（ふじい そうた）七段（しちだん）と棋聖戦（きせいせん）で戦（たたか）うことになったわけですが、まだ役者（やくしゃ）が違（ちが）うと思（おも）っています。

　なお、藤井聡太（ふじい そうた）七段（しちだん）との棋聖戦（きせいせん）は、私（わたし）の予想（よそう）に反（はん）し、藤井聡太（ふじい そうた）七段（しちだん）の二連勝（にれんしょう）となっております。あれ？

２位（にい）　豊島将之（とよしま まさゆき）竜王（りゅうおう）名人（めいじん）

「豊島（とよしま）？　強（つよ）いよね。序盤（じょばん）、中盤（ちゅうばん）、終盤（しゅうばん）、隙（すき）がないよね」

と『深夜（しんや）に甘（あま）く囁（ささや）いて君（きみ）を寝（ね）かせない』系（けい）の棋士（きし）(佐藤（さとう）紳哉（しんや）七段（しちだん）:『深夜（しんや）→紳哉（しんや）』、『甘（あま）く→砂糖（さとう）→佐藤（さとう）』)に言（い）わしめた実力者（じつりょくしゃ）。

　奨励会（しょうれいかい）時代（じだい）から、『名人（めいじん）の器（うつわ）』と言（い）われていましたが、昨年（さくねん）、ついに名人（めいじん）を戴冠（たいかん）しました。

　実力的（じつりょくてき）には、渡辺明（わたなべ あきら）三冠（さんかん）と伯仲（はくちゅう）。

　ただし、やや線（せん）が細（ほそ）いイメージがあります。

　昨年（さくねん）の棋聖（きせい）防衛戦（ぼうえいせん）では渡辺明（わたなべ あきら）現三冠（げんさんかん）に、王位（おうい）防衛戦（ぼうえいせん）では木村一基（きむら かずき）現王位（げんおうい）に破（やぶ）れていて、まだタイトル防衛（ぼうえい）がありません。

　初（はつ）タイトルまでも苦労（くろう）したし、そういう部分（ぶぶん）では、渡辺明（わたなべ あきら）三冠（さんかん）と差（さ）が開（ひら）いています。

　全盛期（ぜんせいき）の羽生善治（はぶ よしはる）九段（くだん）や現在（げんざい）の渡辺明（わたなべ あきら）三冠（さんかん）のような『憎（にく）たらしいまでの強（つよ）さ』を身（み）につければ、覇権（はけん）を取（と）ることも不可能（ふかのう）ではないでしょう。

３（さん）　永瀬拓矢（ながせ たくや）二冠（にかん）(叡王（えいおう）・王座（おうざ）)🍌

　『永瀬（ながせ）流（りゅう）負（ま）けない将棋（しょうぎ）』で知（し）られる受（う）け将棋（しょうぎ）の実力者（じつりょくしゃ）。努力（どりょく）の人（ひと）です。

　長手数（ちょうてすう）になるのを苦（く）にしないタイプで、着実（ちゃくじつ）に優位（ゆうい）を拡大（かくだい）するイメージ。

　いつも鈴木大介（すずき だいすけ）九段（くだん）が、永瀬（ながせ）二冠（にかん）のことを酷評（こくひょう）しているように見（み）えるのですが、きっと期待（きたい）の裏返（うらがえ）しなのでしょう。永瀬（ながせ）二冠（にかん）の方（ほう）は、鈴木大介（すずき だいすけ）九段（くだん）を『恩人（おんじん）』といってますしね。

　鬼軍曹（おにぐんそう）のニックネームに、『もう少（すこ）し上（うえ）の方（ほう）の階級（かいきゅう）にならないかな』と思（おも）っているらしいです。確（たし）かに二冠王（にかんおう）が軍曹（ぐんそう）では可哀想（かわいそう）。

４（よん）　藤井聡太（ふじい そうた）七段（しちだん）

　ポテンシャルはナンバーワン。将棋界（しょうぎかい）の記録（きろく）をどこまで塗（ぬ）り替（か）えるのか、注目（ちゅうもく）されていますね。

　十代（じゅうだい）、二十代（にじゅうだい）のうちにどれだけ活躍（かつやく）できるのか？

　取（と）り敢（あ）えずは、現在（げんざい）挑戦中（ちょうせんちゅう）の棋聖戦（きせいせん）と、王位戦（おういせん）が気（き）になります。

　特（とく）に棋聖戦（きせいせん）は２連勝（にれんしょう）中（ちゅう）で、最年少（さいねんしょう）タイトル獲得（かくとく）まであと１勝（いっしょう）。

５（ご）　木村一基（きむら かずき）王位（おうい）

　『百折不撓（ひゃくせつふとう）の男（おとこ）』、『将棋界（しょうぎかい）きっての苦労人（くろうにん）』、『千駄ヶ谷（せんだがや）の受（う）け師（し）』、『解説名人（かいせつめいじん）』など、様々（さまざま）な異名（いみょう）を持（も）つ木村（きむら）王位（おうい）。

　７月（しちがつ）１日（ついたち）から始（はじ）まる王位戦（おういせん）七番勝負（ななばんしょうぶ）では藤井聡太（ふじい そうた）七段（しちだん）の挑戦（ちょうせん）を受（う）けますが、是非（ぜひ）とも熱戦（ねっせん）を期待（きたい）したいものです。

６（ろく）　羽生善治（はぶ よしはる）九段（くだん）

　『史上（しじょう）最強（さいきょう）棋士（きし）』、『永世（えいせい）七冠（ななかん）』、『国民（こくみん）栄誉賞（えいよしょう）』受賞者（じゅしょうしゃ）にして、長年（ながねん）棋界（きかい）の頂点（ちょうてん）に君臨（くんりん）していた羽生善治（はぶ よしはる）九段（くだん）。

　全盛時（ぜんせいき）の別格（べっかく）の強（つよ）さはないものの、昨年（さくねん）の王位戦（おういせん）挑戦者（ちょうせんしゃ）決定戦（けっていせん）進出（しんしゅつ）や今期（こんき）の竜王戦（りゅうおうせん）１組（いちくみ）優勝（ゆうしょう）など、タイトルを獲得（かくとく）するくらいの実力（じつりょく）は普通（ふつう）にあるでしょう。

　現在（げんざい）通算（つうさん）タイトル獲得99期（かくとくきゅうじゅうきゅうき）。あとひとつが取（と）れないはずがありません。

　やっぱり羽生（はぶ）さんがタイトル戦（せん）に出（で）てこないと、物足（ものた）りないですよね？

７（しち）　広瀬章人（ひろせ あきひと）八段（はちだん）

　前竜王（ぜんりゅうおう）で、昨秋（さくしゅう）の竜王戦（りゅうおうせん）及（およ）び年明（としあ）け早々（そうそう）の王将戦（おうしょうせん）でも破（やぶ）れはしたものの、豊島将之（とよしま まさゆき）現竜王（げんりゅうおう）名人（めいじん）や渡辺明（わたなべ あきら）三冠（さんかん）とほぼ互角（ごかく）の勝負（しょうぶ）を繰（く）り広（ひろ）げました。

　現在（げんざい）は居飛車党（いびしゃとう）ですが、かつては振（ふ）り飛車（びしゃ）穴熊（あなぐま）の使（つか）い手（て）で、その伝家（でんか）の宝刀（ほうとう）をどこかの大舞台（おおぶたい）で採用（さいよう）するのではないかと考（かんが）えているファンは多（おお）いはずです。

８（はち）　佐藤康光（さとう やすみつ）九段（くだん）

　現将棋（げんしょうぎ）連盟（れんめい）会長（かいちょう）にしてＡ級（エーきゅう）棋士（きし）。

　『１秒間（いちびょうかん）に１億（いちおく）と３手（さんて）読（よ）む』と云（い）われ、『緻密流（ちみつりゅう）』、『天衣無縫（てんいむほう）』などとも言（い）われています。

　天衣無縫（てんいむほう）というのは、天女（てんにょ）の羽衣（はごろも）には縫（ぬ）い目（め）がないというところから、自由気（じゆうき）ままに指（さ）しているのに、それが完璧（かんぺき）な内容（ないよう）になっているということ。

　天衣無縫（てんいむほう）な文章（ぶんしょう）なんて使（つか）われ方（かた）もしますね。天衣無縫（てんいむほう）な文章力（ぶんしょうりょく）、欲（ほ）しいです。

　佐藤康光（さとう やすみつ）九段（くだん）といえば、他（ほか）の誰（だれ）にも指（さ）しこなせないと言（い）われる独特（どくとく）な指（さ）し回（まわ）し。

　タイトル戦（せん）で玉（ぎょく）で歩（ふ）を守（まも）りにいった将棋（しょうぎ）は、プロ棋士（きし）みんなが驚（おどろ）いたと言（い）われています。まさに豪腕（ごうわん）。

　昨期（さくき）のＡ級（エーきゅう）順位戦（じゅんいせん）最終局（さいしゅうきょく）の対（たい）羽生善治（はぶ よしはる）九段戦（くだんせん）は、名人（めいじん）挑戦（ちょうせん）にも降級（こうきゅう）にも絡（から）まなかったにも関（かか）わらず、深夜（しんや）まで熱戦（ねっせん）を繰（く）り広（ひろ）げ羽生（はぶ）九段（くだん）を力（ちから）でねじ伏（ふ）せています。

　まだまだ、タイトル戦（せん）で活躍（かつやく）して欲（ほ）しい棋士（きし）のひとりですね。

９（きゅう）　菅井竜也（すがい たつや）八段（はちだん）

　新Ａ級（しんエーきゅう）棋士（きし）のひとりで、初挑戦（はつちょうせん）となった王位戦（おういせん）では羽生（はぶ）さんから王位（おうい）を奪取（だっしゅ）しています。

　タイトル初挑戦（はつちょうせん）で羽生（はぶ）さんと対戦（たいせん）した棋士（きし）は10人（じゅうにん）か11人（じゅういちにん）いるのですが、その中（なか）で勝（か）ってタイトルを奪取（だっしゅ）したのはこの菅井（すがい）現八段（げんはちだん）ただひとり。

　生粋（きっすい）の振（ふ）り飛車（びしゃ）党（とう）で捌（さば）く棋風（きふう）。やんちゃなイメージがあるのは何故（なぜ）でしょうか？

10（じゅう）　斎藤慎太郎（さいとう しんたろう）八段（はちだん）

　新Ａ級（しんエーきゅう）のもう一方（ひとかた）。前王座（ぜんおうざ）でもあります。

　将棋（しょうぎ）が強（つよ）いのに加（くわ）えて、棋界（きかい）屈指（くっし）のイケメン棋士（きし）でもあります。

　女性（じょせい）なら、将棋（しょうぎ）のルールを知（し）らなくてもファンになりそうな感（かん）じ。

　おそらく、『今（いま）プロ棋士（きし）で誰（だれ）が一番（いちばん）かっこいいか』を女性（じょせい）ファンからアンケートとったら、斎藤慎太郎（さいとう しんたろう）八段（はちだん）が１位（いちい）になる気（き）がします。

　惜（お）しくも選（せん）に漏（も）れたベテラン勢（ぜい）

三浦弘行（みうら ひろゆき）九段（くだん）

久保利明（くぼ としあき）九段（くだん）

行方尚史（なめかた ひさし）九段（くだん）

深浦康市（ふかうら こういち）九段（くだん）

郷田真隆（ごうだ まさたか）九段（くだん）

丸山忠久（まるやま ただひさ）九段（くだん）

　同（おな）じく中堅勢（ちゅうけんぜい）

佐藤天彦（さとう あまひこ）九段（くだん）

糸谷哲郎（いとだに てつろう）八段（はちだん）

稲葉陽（いなば あきら）八段（はちだん）

山崎隆之（やまさき たかゆき）八段（はちだん）

　同（おな）じく若手（わかて）

千田翔太（ちだ しょうた）七段（しちだん）

近藤誠也（こんどう せいや）七段（しちだん）

佐々木勇気（ささき ゆうき）七段（しちだん）

増田康宏（ますだ やすひろ）六段（ろくだん）

高見泰地（たかみ たいち）七段（しちだん）

佐々木大地（ささき だいち）五段（ごだん）

大橋貴洸（おおはし たかひろ）六段（ろくだん）

高野智史（たかの さとし）五段（ごだん）

本田奎（ほんだ けい）五段（ごだん）

　あの人（ひと）が抜（ぬ）けてるんじゃね？　というご意見（いけん）は多々（たた）あろうかと思（おも）われますが、そこはご容赦（ようしゃ）下（くだ）さい。