１（いち）　『コーラあん』パンと『ラムネあん』パン

　ドラッグストアで妙（みょう）なパンを見（み）つけました。

　『コーラあん』パンと『ラムネあん』パンです。神戸屋（こうべや）の商品（しょうひん）。

　むかし、『コーヒー』味（あじ）の炭酸飲料（たんさんいんりょう）とか、『チョコレート』味（あじ）の炭酸飲料（たんさんいんりょう）を飲（の）んだことあるのを思（おも）い出（だ）しました。

　確（たし）かに、『コーヒー』とか『チョコレート』の味（あじ）はしました。けれども、

『１回（いっかい）試（ため）したら、もう二度（にど）と飲（の）まなくて良（い）いかな？』

という感（かん）じでした。いわゆるキワモノというヤツですね。

　買（か）って食（た）べてみました。

🍹コーラあんパン　確（たし）かにコーラっぽい味（あじ）はします。ただし、気（き）の抜（ぬ）けたコーラの味（あじ）ね。

　美味（おい）しいかどうかと訊（き）かれると、うーん。

　気（き）の抜（ぬ）けたコーラが好（す）きな方（かた）にはお薦（すす）めかな★

🍸ラムネあんパン　何故（なぜ）だが理由（りゆう）はわからないけれど、こちらの方（ほう）は爽（さわ）やかで爽快（そうかい）な感（かん）じがします(爽（さわ）やかで爽快（そうかい）は表現（ひょうげん）が重（おも）い★　と金（きん）と銀（ぎん）が邪魔（じゃま）をして飛車（ひしゃ）が成（な）りこめない感（かん）じ？)。

　というと、如何（いか）にも肯定的（こうていてき）なふうに捉（とら）えられるかもしれないけれど、決（けっ）して美味（おい）しいわけではないです。

　『爽（さわ）やかで爽快（そうかい）な感（かん）じだけれど、美味（おい）しいわけではない』とは不思議（ふしぎ）な感想（かんそう）だけれど、本心（ほんしん）を偽（いつわ）りなく書（か）くと、そういうふうになってしまうんですよね。

　評価（ひょうか）　この手（て）の商品（しょうひん）は好（す）きなんですよね。そのチャレンジ精神（せいしん）が。

　だから、星（ほし）ひとつですね。ホントに『Good!（グッド）』かどうかは微妙（びみょう）だけれど、そういうチャレンジ精神（せいしん）は応援（おうえん）したい。

　話（はなし）のネタに食（た）べてみるのは良（よ）いと思（おも）います。個人的（こじんてき）には、もう一度（いちど）買（か）って食（た）べようとは思（おも）わなかったですが、人（ひと）によっては、

『おおっ！　これはまさしく、私（わたし）が長年（ながねん）追（お）い求（もと）めていた究極（きゅうきょく）の味（あじ）！　今日（きょう）から毎日（まいにち）、このパンを食（た）べ続（つづ）けよう🍞』

と考（かんが）える人（ひと）がいるかもしれません。好（この）みは人（ひと）それぞれということで。

　くれぐれも、『まずい』というわけではありません。ですが、『なんであんが、コーラとかラムネの味（あじ）なの？』という違和感（いわかん）はありました。

２（に）　屋敷伸之（やしきのぶゆき）九段（くだん）の記録（きろく）

　これまでの最年少（さいねんしょう）タイトル挑戦（ちょうせん）、及（およ）び獲得（かくとく）の記録（きろく）を持（も）っていたのが、屋敷伸之（やしきのぶゆき）九段（くだん）です。

　若（わか）い頃（ころ）は、『お化（ば）け屋敷（やしき）』とか『忍者（にんじゃ）屋敷（やしき）』といった呼（よ）ばれ方（かた）をしていましたが、近年（きんねん）は正統派（せいとうは）の居飛車党（いびしゃとう）のイメージですね。

　銀（ぎん）二枚（にまい）を繰（く）り出（だ）していく、『二枚銀（にまいぎん）急戦（きゅうせん）』という形（かたち）を得意（とくい）にされています。

　何年（なんねん）か前（まえ）の将棋世界（しょうぎせかい）誌面（しめん）で、確（たし）か木村一基（きむらかずき）王位（おうい）と野月浩貴（のづきひろたか）八段（はちだん）が奨励会（しょうれいかい）時代（じだい）について語（かた）っていたとき、

『羽生（はぶ）・屋敷（やしき）は才能（さいのう）が桁外（けたはず）れだった』

と言（い）っていたのが、印象的（いんしょうてき）でした。

　当時（とうじ）の奨励会（しょうれいかい）には、佐藤康光（さとうやすみつ）九段（くだん）や森内俊之（もりうちとしゆき）九段（くだん）といった後（のち）の永世称号（えいせいしょうごう）保持者（ほじしゃ）もいたわけで、そのふたりより屋敷（やしき）九段（くだん）の方（ほう）が評価（ひょうか）が高（たか）いというのは、ちょっと意外（いがい）な気（き）がしたのです。特（とく）に佐藤康光（さとうやすみつ）九段（くだん）は、当時（とうじ）から名人（めいじん）の器（うつわ）と言（い）われていたようですし。

　ただ、羽生善治（はぶよしはる）九段（くだん）、屋敷伸之（やしきのぶゆき）九段（くだん）はプロになって、すぐに頭角（とうかく）を現（あらわ）します。

　羽生（はぶ）九段（くだん）は19歳（じゅうきゅうさい）でタイトル初挑戦（はつちょうせん）にして竜王位（りゅうおうい）を獲得（かくとく）。これはともに当時（とうじ）の最年少（さいねんしょう）記録（きろく）。

　この羽生（はぶ）九段（くだん）が記録（きろく）を作（つく）った1989年（せんきゅうひゃくはちじゅうくねん）に、サクッとタイトル初挑戦（はつちょうせん）の最年少（さいねんしょう）記録（きろく）を塗（ぬ）り変（か）えたのが屋敷（やしき）九段（くだん）。

　翌年（よくとし）には、18歳（じゅうはっさい）で棋聖位（きせいい）のタイトルを獲得（かくとく）して、こちらも最年少（さいねんしょう）記録（きろく）を塗（ぬ）り変（か）えます。

　木村（きむら）王位（おうい）や野月（のづき）八段（はちだん）の見（み）る目（め）は正（ただ）しかったのです。

　なお、羽生（はぶ）竜王（りゅうおう）は翌年（よくとし）失冠（しっかん）しますが、屋敷（やしき）棋聖（きせい）は三連覇（さんれんぱ）を果（は）たします。

　現在（げんざい）のタイトル獲得（かくとく）総数（そうすう）は以下（いか）の通（とお）り。

羽生善治（はぶよしはる）九段（くだん）　99期（きゅうじゅうきゅうき）

屋敷伸之（やしきのぶゆき）九段（くだん）　３期（さんき）

　あれ？　羽生（はぶ）九段（くだん）は竜王（りゅうおう）を失冠（しっかん）したあと、すぐに棋王位（きおうい）を獲得（かくとく）し、次々（つぎつぎ）にタイトルを獲得（かくとく）していったのに対（たい）して、屋敷（やしき）九段（くだん）は棋聖（きせい）を失（うしな）ったあとタイトルを獲得（かくとく）していません。

　もちろん、今（いま）でも屋敷（やしき）九段（くだん）はトップクラスの実力者（じつりょくしゃ）ではありますが、タイトルとはかくも難（むつか）しいものだと言（い）えましょう。

　最年少（さいねんしょう）記録（きろく）は確（たし）かに凄（すご）いことではありますが、藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）がタイトル数期（すうき）で終（お）わってしまっては、がっかりです。

３（さん）　クラスが上（あ）がると家賃（やちん）も上（あ）がる

　藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）は、2017年度（にせんじゅうしちねんど）から2019年度（にせんじゅうくねんど）に掛（か）けて、３年（さんねん）連続（れんぞく）勝率（しょうりつ）８割超（はちわりご）えの新記録（しんきろく）を樹立（じゅりつ）しました。

　なおデビューした2016年度（にせんじゅうろくねんど）も10勝（じゅっしょう）０敗（ゼロはい）で勝率（しょうりつ）10割（じゅうわり）なのですが、対局数（たいきょくすう）が規定（きてい）の30局（さんじゅっきょく）に満（み）たないため勝率（しょうりつ）記録（きろく）にはなりません。

　さて、そんな藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）ですが、勝率（しょうりつ）は年々（ねんねん）下（さ）がってきているのです。

　といっても、藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）が弱（よわ）くなっているわけではありません。藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）は着実（ちゃくじつ）に実力（じつりょく）を伸（の）ばしています。

　勝率（しょうりつ）が下（さ）がったのは、将棋界（しょうぎかい）で俗（ぞく）に言（い）われる『家賃（やちん）が上（あ）がった』からです。

　つまり、デビュー当時（とうじ）は予選（よせん）の一回戦（いっかいせん）から出場（しゅつじょう）していたため、弱（よわ）い相手（あいて）と戦（たたか）うことが多（おお）かったのが、シードされることが多（おお）くなってきたため、弱（よわ）い相手（あいて）とは当（あ）たりにくくなってきたのです。

　また順位戦（じゅんいせん）はＢ級（ビーきゅう）２組（にくみ）(上（うえ）からＡ級（エーきゅう）、Ｂ級（ビーきゅう）１組（いちくみ）、Ｂ級（ビーきゅう）２組（にくみ）、Ｃ級（シーきゅう）１組（いちくみ）、Ｃ級（シーきゅう）２組（にくみ）の５（いつ）つのクラスに分（わ）かれていて、別（べつ）に順位戦（じゅんいせん）を戦（たたか）わないフリークラスが存在（そんざい）します)、竜王戦（りゅうおうせん）は３組（さんくみ）(上（うえ）から１組（いちくみ）から６組（ろっくみ）までクラス分（わ）けされていて、６組（ろっくみ）にはアマチュアや女流棋士（じょりゅうきし）、奨励会員（しょうれいかいいん）も参加（さんか）しています)で、対戦相手（たいせんあいて）も手強（てごわ）くなっています。

　プロ棋士（きし）は所属（しょぞく）するクラスが上（あ）がるとステータスが(もちろん対局料（たいきょくりょう）も)上（あ）がるかわりに、勝率（しょうりつ）も落（お）ちることが多（おお）いのです。

　これを『家賃（やちん）が高（たか）い』と称（しょう）しています。

　なお、藤井猛（ふじいたけし）九段（くだん）はＡ級（エーきゅう）棋士（きし）になることを『銀座（ぎんざ）に店（みせ）を構（かま）える』と表現（ひょうげん）しています。

４（よん）　藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）は渡辺明（わたなべあきら）棋聖（きせい）を相手（あいて）にどこまでやれる？

　私（わたし）の希望的（きぼうてき）観測（かんそく）も含（ふく）めた棋聖戦（きせいせん）の予測（よそく）ですが、３勝（さんしょう）１敗（いっぱい）で渡辺明（わたなべあきら）棋聖（きせい）の防衛（ぼうえい）とみます。

　ちょっ、ちょっと待（ま）って下（くだ）さい。物（もの）を投（な）げないでーっ！

　藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）のファンは、当然（とうぜん）ながら棋聖（きせい）載冠（たいかん）を願（ねが）っているのでしょうけれど、そんなに簡単（かんたん）にタイトルを取（と）れるんだったら、タイトルに価値（かち）なんてありません！

　羽生善治（はぶよしはる）九段（くだん）は、タイトル初挑戦（はつちょうせん）の相手（あいて）11人（じゅういちにん）と戦（たたか）っていますが、最初（さいしょ）の10人（じゅうにん）を全員（ぜんいん）破（やぶ）っています。11人目（じゅういちにんめ）のタイトル初挑戦者（はつちょうせんしゃ）の菅井竜也（すがいたつや）現八段（げんはちだん）が初（はじ）めて羽生（はぶ）王位（おうい）を破（やぶ）って、初挑戦（はつちょうせん）で王位（おうい）の座（ざ）についています。

　現在（げんざい）の第一人者（だいいちにんしゃ）である渡辺明（わたなべあきら）棋聖（きせい）が、初挑戦（はつちょうせん）の藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）に破（やぶ）れたら、一気（いっき）に藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）が覇権（はけん）を取（と）りかねない。

　ここは、渡辺明（わたなべあきら）棋聖（きせい）に貫禄（かんろく）を見（み）せていただきたいと思（おも）っています。

　とはいえ、藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）に有利（ゆうり）な条件（じょうけん）もあります。

　タイトル挑戦者（ちょうせんしゃ）が決（き）まってから、第１局（だいいっきょく）が開始（かいし）されるまで４日（よっか）しかありませんから、さすがの渡辺明（わたなべあきら）棋聖（きせい）も十分（じゅうぶん）な研究（けんきゅう）・対策（たいさく）が取（と）れないでしょう。

　戦略家（せんりゃくか）の渡辺明（わたなべあきら）棋聖（きせい）は、やりにくく感（かん）じるかもしれません。

　逆（ぎゃく）に藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）は、そんなに気（き）にしなさそう(私（わたし）の勝手（かって）なイメージです)。

　第１局（だいいっきょく）、第２局（だいにきょく）と藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）が取（と）ったら、そのまま一気（いっき）にタイトルを奪取（だっしゅ）しても不思議（ふしぎ）じゃない。

　あともうひとつの渡辺明（わたなべあきら）棋聖（きせい）の懸念（けねん）は、同時（どうじ）進行（しんこう）となる名人戦（めいじんせん）です。

　相手（あいて）は渡辺明（わたなべあきら）三冠（さんかん）と伯仲（はくちゅう）の実力者（じつりょくしゃ）、豊島将之（とよしままさゆき）名人（めいじん）(竜王（りゅうおう）)。藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）と豊島（とよしま）名人（めいじん）のダブルタイトル戦（せん）はキツいなと思（おも）います。

　ただ、その豊島（とよしま）竜王（りゅうおう）名人（めいじん）も、叡王戦（えいおうせん）で永瀬拓矢（ながせたくや）叡王（えいおう）(王座（おうざ）)とのダブルタイトル戦（せん）になるわけで、渡辺明（わたなべあきら）三冠（さんかん）が一方的（いっぽうてき）に不利（ふり）になるわけではありません。

　ただ渡辺明（わたなべあきら）三冠（さんかん）としては、棋聖位（きせいい）よりも名人位（めいじんい）の方（ほう）が欲（ほ）しいわけで、秘策（ひさく）の研究（けんきゅう）手順（てじゅん）を藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）戦（せん）では温存（おんぞん）して、豊島（とよしま）名人（めいじん）にぶつけていく可能性（かのうせい）もあります。

　渡辺明（わたなべあきら）三冠（さんかん）は以前（いぜん）、

『どの対局（たいきょく）でも手（て）を抜（ぬ）くことはないけれど、秘策（ひさく）をタイトル戦用（せんよう）に温存（おんぞん）するようなことはある』

という趣旨（しゅし）のことをおっしゃっています。

　名人（めいじん）と棋聖（きせい）では格（かく）が違（ちが）う(公表（こうひょう）はされていませんが、獲得（かくとく）賞金（しょうきん）も名人（めいじん）の方（ほう）が多（おお）いはずです)。

　だから藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）戦（せん）で渡辺明（わたなべあきら）棋聖（きせい）が、『必勝（ひっしょう）の研究（けんきゅう）手順（てじゅん）』をぶつけてくる可能性（かのうせい）はやや低（ひく）いかな(ないわけではない)と思（おも）っています。

　藤井聡太（ふじいそうた）七段（しちだん）の方（ほう）は今（いま）のところ、この棋聖戦（きせいせん）以上（いじょう）の対局（たいきょく）はありませんから、秘策（ひさく）を温存（おんぞん）する理由（りゆう）は皆無（かいむ）。対（たい）渡辺明（わたなべあきら）用（よう）の秘密（ひみつ）兵器（へいき）が見（み）られるかもしれません。