第8話 前日本将棋連盟会長 佐藤康光九段

 私は、将棋の棋士及び女流棋士というのは、基本的にみんな好きなんですけれど、特に応援してる棋士というのが、何名かいましてね。

 是非ともまたA級入り及びタイトル獲得して欲しいと思っているのが、前日本将棋連盟会長の佐藤康光九段(54 )です。

 前会長なんだけれど、当時は『怪鳥』と呼ばれてましたね。

 『丸太を振り回す』みたいな表現もされていて、単に『丸太』とも♪


 佐藤康光九段は、タイトル13期獲得の実績を持つトップ棋士のひとり。『永世棋聖』の称号を持っています。

 元々は、本格派の棋風だったんだけれど、妙に変なカタチを好んで(?)指すようになりました。

 どういうことかというと、多くの(というかほとんどの)棋士が、康光九段の将棋を見て、そちらを持ちたがらない。

 金銀が分断してたりして、まとめづらいといいましょうか。

 あるプロ棋士は、私がふたりいて先手と後手を持ったら、必ずこちら(康光九段の相手方)が勝ちます、と語られました。

 相当な腕力の持ち主な訳です。康光九段でなければ、指しこなせない、と。

 新手とか新構想みたいなものも、数多く出していると思うのですが、康光新手は採用率が低いらしい。

「私の将棋は、誰も真似してくれないのに、羽生さん(善治九段)が指したら、途端にみんな真似しだした」

と嘆いておられました。


 弱い訳ではないのです。

 タイトル13期に永世称号持ち。羽生九段よりも歳上なのに、竜王戦1組(しかも、ランキング戦準優勝!)。


 他の棋士が真似しようものなら、あっさり悪くなって、コロッと負けてしまうような陣形で勝ってしまう豪腕の持ち主なのです。

 だから愛称が、(日本将棋連盟会長時代は)『怪鳥』であり、その指し回しが『丸太を振り回す』と表現されるのです。


 対局を見て、最も面白い棋士のひとりと言えますね♪


 なお御本人は今でも、『理論派の本格派』であると仰っしゃっています。

 将棋の棋書もたくさん著されています。

 私も何冊か持ってますね。『矢倉』とか『ダイレクト向かい飛車』とか。


 是非とも、タイトル戦での勇姿を見たいものです。


 おまけ

 ここで思い出したのですが、かつては『緻密流』と呼ばれてましたね。

 そして、『1秒で1億と3手読む』と言われてました。

 その真相はというと?

「そんなに読めません」

とのことでした。そりゃそうだ♪

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