第225話 推し活聖女
ども。
新巻へもんです。
「嫁入りからのセカンドライフ」中編コンテストの中間選考突破作品が発表されました。拙作は残念ながら選外です。割といい線いっていたと思うんだけどな。やっぱり新巻には向いていないのかもしれません。
それなのに今日は口幅ったい言辞を弄してみようと思います。12月1日に書籍が刊行された綾束乙さまの『転生聖女は推し活初心者! ~聖女なのに邪悪の娘と蔑まれる公爵令嬢は推し活に励み過ぎて王子の溺愛に気づかない~』を読了しましたので、勝手にその魅力の分析を敢行しましょう。
綾束乙さまはカクヨムコン9の特別審査員もされていらっしゃって、恋愛ジャンルで今ノリに乗っている作家さまです。すでに4タイトルも書籍化。凄いですよね。そんな方の作品を分析しようっていうんだから新巻の神経は相当太いと思われても仕方ありません。
そもそも、恋愛ジャンルは新巻みたいなおっさんはメインターゲットじゃないです。しかしですね、だからこそ逆に一歩引いたところから俯瞰的に見れる気もします。それで、恋愛ジャンルというのは、虐げられているヒロインがヒーローに見初められるというのが基本形式です。まさにシンデレラストーリーですね。
ヒロインとヒーローが両想いになっては話が終わってしまうので、なんとかすれ違いを発生させなくてはなりません。そして、ヒーローからの好意の矢印は太くはっきりと読者には提示されている方が望ましい。これは綾束さま本人から拙作に頂いたアドバイスです。
ヒーローからの好意が明確なのに受容されない、その状態を創り出す必要があります。ヒロインが虐げられすぎていて自己肯定感が低いとか、ヒロインより魅力的に見えるライバルを介在させる、ヒロインが持つ能力の真価を本人が理解していないなどの手法が多い気がします。ただ、これをやりすぎるとヒロインにイラつくことになるでしょう。少なくとも新巻はそうなります。どーんといかんかい、って。
本作においてそれを綺麗に解決するのが「推し活」というキーワード。あまりヒロインのネガティブさを出さずに、崇拝の対象であって恋愛対象としてはそもそも意識にないという形に上手く収めていると思います。書籍化に当たっても虐げられる部分を薄めて「推し活」要素を前面に出しているので編集部さんが評価したのもその部分なんじゃないかなあ。
虐げられている描写もあるのですが、楽しく推し活をしているので、あまり暗い話にならないところもストレスが少なくていいです。ヒーローの好意も過剰なファンサに変換されてしまう明るいすれ違い。押し活が前面に出ています。書籍版の新キャラで推し活仲間を配したのもその流れだと解釈しています。
最初に言ったように恋愛ジャンルはある程度型がある。そこで独自性を出すには舞台設定やキャラクターの特色で差を設けることもできます。しかし、推し活という要素を組み合わせたことが強みであり、書店に展開する際のウリになったんでしょう。作話においてはこういう掛け算を意識したいですね。
ではでは。
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