第9話 特定文化由来の表現
ども。
新巻へもんです。
今日のお題はタイトルそのままですが、元々は特定の地域や文化に根ざした表現やことわざを他の場所で使うのってどうなのか? ということです。例えば、数話前に使った『隴を得て蜀を望む』なんて表現を異世界ファンタジーで使うと違和感あるかという話ですね。
もちろん、地球の文化を知らない現地人の会話の中に挟むのはやりません。まあ、同じヒトの所業なので、欲望には限りは無いでしょうし、それを表す言葉はあるはずです。その点はまず置いておくとして、地の文でどうするかということですね。
読者の皆様は、日本語で読んでるわけですから、こういう言葉を入れたとしても、意味は通じるはずですが、雰囲気に合うかということが悩みです。舞台設定としてはいわゆる西洋風な場所の描写で、中国の地名を含んだことわざが出てくると違和感はあるのでしょうか? あまり気にしなくてもいいような気がしますが、引っかかる人はいますか?
まあ、状況を説明する地の文であれば、もともと、現代日本語を使っている時点で気にする必要もないのかもしれません。こだわりだしたら、色々なことを説明する必要が出てきますからね。親指と人差し指で輪を作るOKサインも、国によっては……。間違ってももう片方の人差し指だけを立ててはいけません。
そして、文化の違う異世界人のセリフに変化を持たせようと思うと、なかなかに大変です。肉体派の戦士なら直接的な表現だけでもいいですけど、賢者とか聖職者とかは、そういう言い回しをしそうですよね。真価を分からない者が持っている、ということを伝えるために、「馬の耳に念仏だな」とか言わせたいわけです。
この場合、念仏というものの類似概念を使う手もありますね。聞いた者に祝福を与える聖なる言葉があるならば、「馬の耳に聖語だな」とかね。でも、この場合に馬にも祝福を与える効果があると意味が変わっちゃいますよ。似たような成語だと「猫に小判」がありますけど、これなら割と簡単に言い換えられるかもしれません。全国の猫派5000万人を敵に回しそうですが。
もう一つの方法として私が使ってるのが、英語など日本語以外の言語の成語の直訳です。次のように書いてあったらなんとなくニュアンスは伝わりますでしょうか?
「樽の中の魚を撃つようなもんさ」
簡単だぜ、ミスるわけねーだろ、というような感じは伝わると思います。物にもよるんですけどね。
ではでは。
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