第14話  ダイエット、始める前から、『できない』と

 ダイエットをした人は、男女関わらず多いだろう。

 だけれど、成功して痩せた人というのは、どれくらいいるのだろうか。間違いなく、痩せたいと言いつつ痩せられない人の方が、成功した人よりも多いはずである。

 私が感じるのは、どうしてダイエットしなくてはならないか、ということ。と言うのも、そもそも太らないようにしていれば、ダイエットなんてしなくていいのに、というわけだ。

 こう言うと、「私はダメだ」「そんなの簡単じゃない」と、言い返してくるだろう。悪いが、それは言い訳だ。何の理由にもならない。

 大体、体重だって、朝起きたら10キロ増えていた、なんてことはない。

 太り始めの時期、変化を感じる時期があったはずだ。また、運動しなかったり食べ過ぎたりと、己でもわかる原因があるはずだが、それを見逃したか、気にしなかったか、とまれ自業自得のなせる業だ。

 ダイエットするよりも、ダイエットしないように現状を維持することを考えるならば、そもそもダイエットなどしなくていいのだ。

 太ってからやるのではなく、太らないようにすることが、最も楽だと言える。体質だとか、摂取するものが悪いとか、そんな言い訳を考えるよりも、ずっと建設的だ。

 とはいえ、そもそも太っても直ぐに痩せられる人は、元来太らないように気にしている人だと言えるから、太ったから痩せるという前に、すでに痩せようと努力しているだろう。

 その差こそが、ダイエットをするか、しないか、の境目になる。

 あえなく境目を越えてしまった人たちは、ダイエットをしようとする。しかしながら、始める前からできないと思っている。

 なぜなら、太らないようにと気にしていたとしても、その時点で太ってしまったからだ。つまり、太らないようにするよりも、太る方が楽だと知っているからだ。

 だから、辛いダイエットができるか、と考えてしまう。

 おそらく、太ったら痩せるために苦労する、と予測は付いているはずだ。自分のことは自分でわかるだろうから。

 それでも、楽な方を選ぶのが人間。苦労して太るのを我慢しないで、太ってから苦労しようとする。そして、結果痩せられないと知る。

 これを読んで、あなたはどう思うだろうか。

 この話は、ダイエットだけではない。日常の色々なところに、通ずる話である。

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