第11話 自分が基本です
前回も書きましたが、人間のモノの味方の基本は『自分』であるわけだ。というか、他人の目を通しての自分など、見られようはずがない。
誰かが「あなたは優しい人だ」と言ったとする。では、あなたは優しい人だろうか。「わからない」が一番正答に近いと思う。
なぜなら、優しいと言った人の本心など、あなたにはわからないからだ。例え、笑顔で、真顔で、面と向かって、という状況だったとしても、言った人の本心かどうかなど、図りようがないだろう。精々想像するか、信じ込むしかない。もしかしたならば、腹の底では「嘘だけど」とつぶやいているかもしれない。
つまり、他人から見た自分など、本当かどう変わらないのだ。
これは、あくまでも極端な例だが、他人の目から自分など見られなないということ。世の中、本音を見せてくれる人など、そんなに多くないし、本音を見せたら面倒なことになると思って、言いたいことや思っていることを口にしない人は多い。
言い換えたなら、誰もあなたのことを完全にわからない、ということになる。そして、他人を完全に知ることはできない、ということだ。
とはいえ、ある程度は推測できる。無意識のしぐさ、表情などで、ある程度は人の趣味嗜好はわかるだろう。だが、やはり完全にはわからない。
どこまで続くかわからない狭い縦穴に、明かりを入れたとろろで、見える範囲などたかが知れる。もし明かりを投げ入れても、やはり見える範囲はたいしてかわらない。そんなイメージだ。
だからこそ、モノの見方、考え方の基本は自分自身になる。まだ自分だったら、他人よりは奥まで見通せるから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。