第4話 赤い紐と球

"目標を発見!!確保せよ!!"


悲鳴を上げてしまった私を待っていたのは、予想通りの展開だった

開けられるクローゼット

見つかる私

紐か何かで束縛され身動きが出来ない状態にされ、あれよあれよと三人の屈強な男に担がれ運ばれてしまった・・・

アルパカのアルさんは街のどこかでこの人達と戦ってるはず

アルさんに助けを呼びたいけど、魔法みたいなのをかけられて口が動かない・・・

この世界は魔法があるみたいだし、私も魔法が使えたら助けを呼べるのに

そう思いながら担がれた状態で、唯一動いた右手を空に上げ念じてみる

念じるのは花火のイメージ

赤くて大きな花火

そんな花火が上がればアルパカさんが異変に気が付いてくれる!!

なんだか右手が急激に熱くなってきた!

いまならいける気がする!


だから私は、魔法で動かなくされた口の代わりに、心の中で大声で叫んだ!


"いっけーーーーー!!!!!!"


私の気持ちに答えるように、空に伸ばした右手から熱が放出された

放出された熱はひも状の赤い線となって、天高く舞い上がる

ひも状の赤い線は村の遥か上空に停滞する

やがて私の右手からは赤い線が放出されなくなり

その代わりに、上空で停滞していた線は一つに纏まって赤くて大きな球体になった


そんな光景に私を誘拐しようとしていた人たちはポカンとしていた

しばらくして


「なんだ、、、あれは・・・

 お前何をやった!!?」


なんて言ってきたけど、声が出せないし私自身何が起きたかよくわかってないから

首を横に振るしか出来なかった


「くそ、、、悪魔め!!

 とにかく本部隊と合流し、この悪魔を引き渡して俺たちはトンズラするぞ!」


リーダーらしき人の号令にヘイッ!と答えた野郎どもは

私を再び担ぎ上げ移動を開始する


そんな矢先だった


「見つけましたは悪党ども!お嬢さまを返しなさい!

 くらえ!ダウンバースト!!」


アルパカさんが助けに来てくれた

アルパカさんは魔法を使って、誘拐犯達をすぐに無力化していった

その手際の良さにびっくりもしたけど、それよりも今はアルパカさんが助けに来てくれた事にものすごく感動している

あと安心感からなのか?体の力がすっと抜けきた私は、そのまま地面に倒れた


「ありゃりゃ、お嬢さま

 魔力切れの様ですね!ここは私が片付けるのでゆっくりお休みくださいね!

 スリープ!」


魔力切れ?

初めて聞く言葉だ

まぁきっと意味はそのまんまの意味なんだろうなぁーと考えていると

急に頭がぼぅーっとしてきて、私は眠ったのだった

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母が過去に活躍した魔法世界でがんばります! 田中真矢 @tnkmy

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