第2話 豊かな村ノワール

ここは辺境の村ノワール

気候が温暖であるウランス大陸の最東端に位置していて、農業が盛んな村である

食料はほぼ自給自足で済んでいて

余った食料は行商担当の村人が他の村や街に出向き、商いを行っているそうだ

そして、村人の半分は獣人であるみたいだ


なぜ私がこんな話を知ってるのかと言うと

この村に来た日から、私が現実逃避をするためにベットで横になり寝ようとすると

例のアルパカさんが寝かせまいとベットの横で色んな話をしてきたからだ


アルパカさん曰く

この世界は夢の中ではないらしい・・・


私が住んでいた世界と違う世界であり

私が住んでいた世界の常識が通用しない事が多々あるらしい

確かに、私が住んでいた世界には獣人なんてあり得ないしね・・・・

いくら寝ても元の世界に戻らないし・・・


この世界に来てから3日間

元の世界との違いをアルパカさんから聞かされ続け、いろいろ吹っ切れてきた私は


この世界に馴染もう!!!!もっと異世界を楽しもう!!


そう考える事にした!!


で、なんでアルパカさんが私がいた世界を知っているのかというと

私の母である相馬真理ことマリーが、アルパカさんこと獣人のアルを含めた

パーティメンバーで、世界救済の旅をしている時に母から聞いたみたいだった


ん?

旅??

世界救済???

おもしろそう!!!!


こんなテレビゲームみたいな世界に来たんだなって思った私は、アルパカハウスから外へ出てみることにした


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「気持ちいい・・・・」


晴れ渡る空

透き通る風

農作物や木々から薫るいい匂い


元の世界では、マンションだらけの都市部に住んでいたので

こういう自然だらけの場所に来るのは、小学校の林間学校の時以来だった


この風景だけでも素敵で好きだなって思ったのに

すれ違う人それぞれが、私の事を"お嬢様"と親しみを込めて呼んでくれて

清々しい気分になり村を歩く毎にどんどん好きになる村であった


「この世界に来てよかったぁー」


そんな事を口にした時だった


カンッカンッカンッカンッ


村の中心にある高見矢倉に付けてある、緊急時を知らせる鐘の音が村中に響いた

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