異界の乙女
「それでは八方塞がりになるのではなくて? 大地を立てれば死者が立たず、死者を立てれば大地が立たないわ」
「其処で講じられた策がセミークの追善供養だ。大地が最早後戻り出来ないほどの温暖に到る時期まで死者は残置され、もはや寒さの心配の要らぬ、実りを迎えるより前の時期に、この
あらあら、と彼女は声を上げる。
「なかなか
「実際には残置という葬られ方は
「随分長い前置きね」
「お前が私と一緒に話を聞いていてくれれば、これは必要なかったと思うのだがね」
彼が多少
「あら、私はね、貴方の口から語られるのを聞くのが好きなのよ」
「ならば、そう文句を言わずに聞き給えよ。
前置きの通り、セミークは
故に悲劇と結び付けられやすく、
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