第4話 美樹と拓哉Ⅲ
それにしても私がグラビアモデルなんて信じられない。
「美樹、これを着てくれないか?」
「水着?」
「そうだ、着てくれるよな?」
「う、うん」
「着替え室はそこにあるからそこで着替えてくれ」
私は頷く。
私は着替え室に行くと着替える事にした。
まずは服を脱いでいく。
次にパンツとブラジャーを脱いでいく。
その後は拓哉から渡された水着を着ていく。
「これでいいのかな、恥ずかしいよ」
私は着替え室から出ると拓哉に声をかける。
「拓哉、お待たせ」
「美樹、素敵じゃないか、俺の目に狂いはなかった」
「あ、ありがとう」
やっぱり、とても恥ずかしいよ。
早く終わってほしい。
「美樹、そこに立ってくれ」
「うん」
拓哉に言われた場所に立つことにした。
「今からポーズの指示を出すから、そのポーズをしてくれよな」
「うん、わかった」
拓哉からポーズの指示からくると私はそのポーズをする。
すると拓哉が撮影を始める。
次にまた違うポーズを指示されるとそのポーズをする。
するとまた拓哉が撮影をする。
それを繰り返している。
拓哉からポーズの指示が出された。
私は恥ずかしいけど、拓哉に言われたポーズをしている。
このポーズは胸が強調されているポーズだった。
とても恥ずかしいよ。
早く終わってほしい。
拓哉は撮影をしているのだった。
撮影が終わると拓哉は
「ご苦労様、美樹ありがとうな」
「ううん、恥ずかしかったけど、とても楽しかった」
「それは良かった、誘った甲斐があったよ」
「拓哉大好きっ」
「美樹大好きっ」
二人は口付けを交わすのだった。
「美樹の唇は柔らかいな」
「そ、そんな事言わないで、恥ずかしいよ」
「そうやって恥ずかしいそうにしているのも可愛いな」
「もうっ、拓哉ったら」
拓哉は笑っている。
拓哉が楽しそうにしていると私も楽しい。
それは嘘や偽りがない本当の気持ちだった。
「拓哉のお仕事ってこれじゃないでしょ?」
「なんでそう思うんだ?」
「御曹司ってこういうお仕事しないよね、なんで?」
「なんでって言われてもな、困るな」
「本当のお仕事は何をしているの?」
「それはな、社長をしている」
「しゃ、社長をしているんだ、すごいね、拓哉」
「そうでもないさ」
「じゃあ、このグラビアみたいな撮影は何のためにしたの?」
「美樹を試していたんだ、ごめんな」
「それってどういう事なの?」
「秘書の件さ」
「あぁっ、そういうことね」
「美樹は合格だ、俺の専属の秘書になれる」
「そうなんだ、嬉しいな」
「それにしても美樹の水着姿はいいな」
「拓哉、あんまりじろじろ見ないで、恥ずかしいよ」
「別にいいじゃないか、減るもんじゃないし」
「それはそうだけど……」
私は本当に恥ずかしかった。
拓哉だからしょうがないよね。
社長の秘書って何をするのかがわからない。
今直接聞いてみようかな。
「拓哉の仕事場ってここなの?」
「ここは違うぞ、仕事場は浅野邸だ」
「そ、そうなんだ」
「秘書のお仕事って何をするの?」
「これといってないな」
「えっ? それじゃ秘書としてお仕事をする意味ないよね」
「そんな事はないぞ、あるからな」
「なんでかな?」
「それはだな、大好きな人を傍に置いておくためだ」
「た、拓哉……そこまでして私の事を……」
私は内心とても感激している。
ここまで私の事を考えてくれるなんて幸せでしかない。
拓哉と出会えて良かった。
私は拓哉に尽くすと決めたのだった。
「美樹、頑張ろうな」
「はい、頑張ります」
私はとても心地よい感じがする。
こんな思いをするのは久しぶりだった。
これからも拓哉と仲良くできると信じている。
せっかく婚約も結婚も約束しているから、必ずチャンスを
無駄にしない。
私の気持ちは拓哉一途だからね。
「拓哉、着替えにいってもいい?」
「ダメだ、そのままでいろ」
「ど、どうしてよ」
「美樹の水着姿をまだ拝んでいたい」
「た、拓哉~」
「美樹、そんな声を出すなよ、美樹は素敵なんだ」
「あぅっ、わかったよ、このままでいるね」
拓哉がまだ水着姿みたいって言うから、私はそのままでいることにした。
もしかして一日水着姿のままってことはないよね。
私も水着は大好きだけどね。
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