2 迫るCIA四天王! 悪魔のオスプレイ宙殺拳!(後編)
彼の使うオスプレイ
空を自由自在に飛び回る悪魔の拳法を相手に、絶体絶命の神風トオルであったが――!
その窮地を救ったのは
「おのれ……別動隊を突破してきたか!」
「囮の部隊を用意するとは考えたようだが……。
あの程度の航空兵力、我が忍法の敵ではない!」
空中に静止していたヤエベニが急加速!
天空のケーンへと突っ込み、手刀を繰り出す!
「なんのおおおおおお!!」
天空のケーンがハイキックで対抗!
ヤエベニの手刀を止める!
ぶつかり合う悪魔的衝突エネルギー!
拮抗する両者の間から火花が散る!
「病院送りにされた『草原のクサッパ』に代わり!
この俺がお前を木っ端みじんに破壊してやるわ!」
「ほう……奴め生きていたか。
手心を加えすぎたようだな。
貴様は念入りに殺すとしよう」
「抜かせええええいいいいい!!!」
天空のケーンが急速後退!
すぐさま上昇し体勢を崩したヤエベニに踵落としを打ち込む!
ゴシャアアアアアアア!!!
オスプレイ墜落級の悪魔的威力!
ヤエベニが両腕で防御するが――!
威力を殺しきれず地面へと弾き飛ばされる!
「――ッ!!」
ヤエベニの装甲背面から発光する粒子が噴射!
生じた推力により大地への衝突を回避!
体勢を立て直し着地する!
そこは神風トオルの目の前だ!
「ヤエベニ……! そのピンク色の装甲……!
もしや、イタリアマフィアの暗殺者をやったのも!?」
「……そう、私だ」
背中越しに応える装甲くノ一。
「ここは私に任せて先へ行け」
「一度ならず二度までも……!
なぜだ、なぜ俺を助ける!?」
「か、勘違いするな! 別に……
別にお前のために戦っているんじゃないんだからなっ!」
ヤエベニの右脚部の装甲が開き、中から短い棒状の物体が飛び出す。
それを掴むと同時に光が伸び――刃を形成。
ヤエベニの近接戦用武装、ビーム・クナイである!
「お前に興味なんてないんだからっ!
た、たまたま敵が一緒なだけだっ!!」
「そ、そうか……。それはすまない……。
だが! こいつには聞きたいことが!」
乙女心のわからぬトオル!
拳を構えあくまでも天空のケーンと戦うつもりである!
――しかし!
「馬鹿者ッ! さっさと行かんかあああああ!!!」
ゴツウウウウウウン!!!
「ぐあああああああ!!??」
トオルの脳天に強烈なゲンコツ!
師、ゴウショウによる一撃である!
ヤエベニはビーム手裏剣を放ちながら上空へと舞い戻る!
「先生、貴様! 御乱心なされたか!?」
「馬鹿タレが! 心乱れたるは貴様の方ぞ!
トオルよ、貴様の目的は父に再会すること!
そのために成すべきことはなんだ!」
「ッ!! そうだ……父が待つ地球ファイト決勝会場!
東京都シン・巣鴨を目指すこと!」
「左様! 目の前の敵を倒すことではない!
ならば! ここは我らに任せて! 先に行けい!!」
――突如林の中から飛び出す黒スーツの男! その手には日本刀!
「神風トオル! お命チョーダイ!」
「やかましいいいい! 取り込み中だああああ!!」
グシャリ!!!
「ギャアアアアアア!!」
ゴウショウが回し蹴りで林の中へ弾き返す!
「……ッ!? 囲まれている!?」
「おそらくはCIAのエージェント!
俺が突破口を開く! お前はルリと脱出しろ!」
ゴウショウが地球パワーを解放!
その身体が青色の光に包まれる!
「兄上! お早く!」
モーターバイク『テング三式』を押しながら駆け付ける神風ルリ!
「おお、バイクは無事だったか!」
トオルがメタリックテングレッドのボディにまたがり、
エンジンを始動させる!
後ろにはルリがしがみつく!
ポヨン!
背中に感じる妹の温もり!
成長したルリを父にも見せねば!
「「「神風トオル! お命チョダーーーーイ!!」」」
林の中から一斉に飛び出すCIAエージェント!
その数は数十人! 日本刀を構え襲い来る!
「アレを使う! お前たちは真っすぐ進め!!」
「お願いいたしまする!」
「はああああああああ!!」
ゴウショウが地面に両手を突っ込み……剥がす!!
「地球真拳んんんんんん!! 地面返しいいいいい!!!」
ベリイ!! ゴロゴロゴロゴロ――――ッ!!!
おお、見よ! 敷かれた絨毯をコロコロ丸めるように――
剥がされた地面がCIAエージェントを巻き込みながら転がっていく!
「「「ギャアアアアアア!!」」」
哀れ! 射線上のCIAエージェントは巻き寿司と化す!
「今だトオル!! シン・巣鴨へ行き!
父の生死、その目で確かめるのだああああ!!!」
「はいいいいいいいい!!」
ヴァオオオオオンンンッッッ!!!
テング三式のマフラーが火を噴く! 物理的に!
地球真拳・地面返しで開かれた道を走り抜ける!
チラリと背後を見やるトオル。
そこには――日本刀CIAに囲まれるゴウショウの姿。
(先生……どうかご無事で! ――そして!)
上空には交戦を続ける天空のケーンとヤエベニ。
(恐るべき戦闘力を誇るCIA四天王。
あのまま戦い続けていたら――勝敗はどうなっていただろうか。
さらに――そのCIA四天王と伯仲する装甲くノ一。
少なくとも敵ではないようだが……。
万が一、戦うことになったら……!)
己を超える実力者を目の当たりにし、冷や汗を流す神風トオル。
この先……どんな敵が待ち受けるのであろうか。
アメリカ大統領の魔の手――この程度で終わるはずがない!
「――だが! 負けぬ!
父の姿を見るまでは――この命!
簡単には取らせぬぞおおおおおおおお!!」
「
――手紙の文字は間違いなく父の筆跡であった!
だが同時に知らされる――父が殺されたという事実!
地球ファイト決勝会場、シン・巣鴨で待つのは果たして!
希望か! 絶望か!
神風兄妹は再び走り出す!
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