名前:ケイコとマナブの交換日記

生没年:2017/06/01~2018/06/01



小説の成長記録:

2016/06/01恋愛と日記の子供として生まれた。777文字の幸運な子供であった。順調に700~1000文字の成長をしていたが、2017/12/15あたりから恋愛が度々外出し始め育児放棄しだす。一人残された日記はグレながらも子供を200文字ずつ育てるが、やがて日記も育児ノイローゼに悩まされ失踪し、2018/06/01栄養失調のため死亡した。全文字数:20700字



小説の性格:

新婚夫婦のケイコとマナブは交換日記を始める。チャット風の会話式の日記であった。まずお互いの馴れ初めを書き始め、ケイコがマナブに付き合ってと告白された場所を通っていた高校の校舎の裏と書くと、すかさずそれ掃除当番のときだからというマナブのツッコミが入る。しかしケイコが『やっぱり違うよマナブ!校舎の裏だよ!』と反論し、そうして会話していくうちに二人でだんだん盛り上がってきて最後は自分らってやっぱり結婚する運命だったんだよね!と読者を置き去りに二人で勝手に盛り上がっていたのであった。盛り上がりすぎる二人は幸せをみんなにも分けて上げたいと二人のデートの写真までのせたものであった。


そして馴れ初めの話題は終わり会話は二人の日常へと移った。二人の読者を置き去りにした会話がまた延々と続いていくと思われたが、突然『サトミまた会おうぜ!』というマナブのメッセージが載り、それに怒ったケイコがマナブを激しく問い詰める。マナブは『アカウント乗っ取られたんだ!』と下手くそな言い訳をするが、ケイコは聞き入れず『そのサトミって女出せよ!』とマナブに要求した。


しかしそれっきりマナブは日記を書かなくなり、それからケイコのマナブに対する恨み言が延々と書かれていったが、2018/06/01の最初の結婚記念日に『本日、夫マナブと離婚しました!』とケイコの読者宛のメッセージが載り日記は終了した。



小説の制作秘話:

ほとんど実録ものなので内容については上記の小説の生涯に書かれた通りでここで特に語ることはない。なのでここでは主にマナブの浮気前後の状況について記すことにする。


実のところマナブは日記に飽きていた。ケイコがはじめに二人で日記を書こうと言ってマナブも最初は乗り気であったが、やがて飽きはじめ途中からケイコが早く書けとせがむからいやいや書いていたのだ。


毎日毎日ケイコから「人気も出てきたし、上手くいったらお金だって取れるかもしれないじゃんだから早く書いてよ!」といわれ続けるのにマナブはうんざりしながらも書くだけは書いていたが、2017/12/15日記も書かず外をぶらぶらしていたマナブは街で思わず女子大生のサトミに声をかけてそのままホテルに行ってしまう。そしてサトミとホテルで別れた直後、まだ興奮冷めやらないマナブはサトミから教えてもらったLINEにメッセージを送るつもりで、間違って日記の方に書き込んでしまったのだった。マナブはすぐに気づいたがもう後の祭りである。早速ケイコが日記を更新し『何よこれ!』とマナブを激しく問い詰めた。


マナブは家に帰るまでの間に下手くそな嘘を考えてそれを日記に書いて弁明した。するとケイコもすかさず日記を更新し『そのサトミって女出せ!』とケンジを詰問したのである。家に帰ってケイコと対面してもマナブは嘘を繰り返すが、ケイコはふざけんなとブチ切れマナブにスマホをかざし日記を見せつけた。するとマナブは開き直り「ああそうですよ!サトミと致しましたよ!」と家を出ていってしまった。


夫婦関係は完全に壊れてしまい、もはや交換日記どころではなくなってしまった。家出したマナブはサトミと同棲を始め、一人残されたケイコはマナブへの恨み言を延々と日記で書き綴っていった。そしてそんなケイコに読者は同情し、コメント欄に『ケイコさん、頑張れ!』『マナブ早く戻ってこい!』など激励のメッセージが載り日記自体の人気も急上昇したが、いつまでも戻っていないマナブに号を煮やしたケイコは2018/5/20より離婚の準備を始めた。2018/06/01の結婚記念日にマナブと協議離婚が成立すると、日記にマナブと離婚したと報告して本日記の連載を終了した。


後日譚だが離婚後、マナブは同棲していたサトミに捨てられたようである。一方ケイコだが『ケイコとマナブの公園日記』を終了させた直後に『ケイコの幸せになりたい!』というブログを連載し始め、いきなりPV一日25万を稼ぐ人気コンテンツとなり、その後もPV数はぐんぐん上昇を続けケイコは一躍スターをなってしまった。読者からも『ケイコさん今度こそ幸せになってね!』『もうクズみたいな男に騙されちゃダメよ!』のような温かいコメントが毎日届きそれを読むたびに涙を流すのであった。困難な時も日記を書き続けてよかった、あの体験があるから今があると。




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