名前:アルデバラン帝国興亡記
生没年:2019/05/01〜2019/05/02
小説の成長記録:
2019/05/01ファンタジーと歴史の子供として生まれた。生まれた時すでに25000文字にも達し、すぐに11万文字の成人を迎えると思われたが、翌日の2019/05/02の深夜、病を発症し急死する。あまりにも突然の死であった。
小説の性格:
大陸の西の果てにあるアルデは気候穏やかな地方である。しかしその穏やかな気候と相反するかのように土地は荒廃しまともな秩序すらなかった。アルデ各地を支配する豪族たちは互いに争いを続け、そして戦の金がなくなるとか弱き庶民から富を強奪していたのであった。人々は求めていた。アルデの混乱を治め人民を光へと導く英雄を。そしてその英雄がアルデを統一し秩序と平和の帝国を築くことを。
ついに豪族たちの横暴に耐えきれず地方の小さな村で農民の反乱が起こった。ノデルというものが先導して起こしたのである。
反乱の首謀者ノデルは農家の三男坊に生まれた。彼は幼い頃から非常に活発な子供であった。ある日ノデルは近所の子供らを畑に集めると家畜の牛にまたがり「さぁ、乳を出せ!」と言いながら牛の尻を木の棒で激しく何度も叩いた。すると牛はモーッ!と大激怒し鼻を膨らませて鳴くと体を激しく振り回してノデルを振り飛ばしてしまった。振りとばされたノデルは肥溜めに落ちて溺れかけるがすぐに助けられ、それ以降ノデルには『肥溜めのノデル』という二つ名がついた。ノデルはそのあまり清潔でない二つ名にちょっと腹が立ったが、これも勲章だと思い、いつのまにか自分から肥溜めのノデルだと名乗り出したのであった。
成長し、不良少年になったノデルは不良仲間と牧場から乳を盗もうと計画を立てて、早速計画を実行するが、その牧場の持ち主の一人娘を見た途端一目惚れをしてしまう。娘を見て惚けてしまったノデルはその場で立ち尽くし一人捕まってしまった。捕まったノデルは「肥溜野郎!ついに乳泥棒にまで堕ちたか!」と牧場の主人に罵倒され、乳泥棒を働いた罰だと奴隷にされる。奴隷としてこき使われるうちに時折ノデルを優しい瞳で見つめる娘に無性に会いたくなり、ある夜娘の部屋にこっそり入ろうとしたが、運悪く娘の父親に見つかってしまいその場で百叩きの刑にあう。そしてノデルは翌朝牧場から叩き出されたが、彼は悔やしさに涙を滲ませて、いずれお前らを見返してやる!と誓って両親の下へ戻るのであった……。
小説の制作秘話:
作者はこの小説を書き始めた時は壮大な歴史ファンタジー小説を書こうとしていたのであった。人民が望んでいた待望の英雄バランによるアルデバラン帝国の建国から、やがて皇帝や貴族の腐敗により人民の支持を失った帝国が滅亡していくまでの500年間の歴史を余すところなく書くつもりだったのである。作者の構想通り完成されていれば何十部にもなる大作で文字数は軽く1000万文字を超えていただろう。
作者は第一部の帝国建国のドラマを書くにあたり、まずは庶民の屈辱を克明に書かねばならぬと思ったのである。屈辱に耐えかねた地方の小さな村で農民が起こした反乱が、いつの間にか豪族達の支配を揺るがす大規模な反乱になる。やがてそれがアルデ全体を巻き込む大争乱となり、その争乱の中に突如現れた英雄バランがアルデを統一しアルデバラン帝国を建国するというのが作者の考えていた構想であった。
しかし庶民の屈辱を克明に書こうとしたのか、作者として登場人物の紹介はきっちりしとかなきゃいけないと思ったのかわからないが、農民反乱の首謀者ノデルの半生を25000文字に渡って書き込んでしまう。
作者はノデルの半生を書いてる途中で思った。ノデルを25000文字も書いたということはこれから出てくるノデルより重要な登場人物達はもっと多く書かなきゃいけなくなる。ノデルにこれだけ文字数使ったのに他の登場人物を25000文字以下で紹介したんじゃ登場人物のバランス的におかしくなる。しかし登場人物の紹介にいちいちこんなに文字数を割いていたら全然英雄バランの登場までたどり着けないではないか。作者は一晩中悩んだ。悩んだ挙句、小説の執筆は不可能と連載を中断することを決断したのであった。
ちなみにこのノデルというキャラクター。作者によるとたいして重要な人物ではなくただの農民で、またバランと他に出てくるはずだった登場人物とはなんの関係もなく、物語の初っ端で死んでそれっきり名前すら出てこない人物であるそうだ。
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