第14話 幼少期の想い
私がまだ俺などと言っていた頃(7歳)に突然前世の記憶が蘇ったのですが、
前の世界では、36歳の時に亡くなったようですね。
まあその話はまた後日と致しまして、記憶が蘇ったことで少々パニックになったのですが、
あの頃のお嬢様は、そんなことなど知るかといった態度で
私に無理難題を押し付けてくれたものです。
まあそのおかげでパニックもいつの間にか収まり今に至るのですが。
(もちろん誰にも転生したなんて言えませんけどね。)
それにしても、お嬢様とは産まれた時からずっと過ごして参りましたが、
記憶が蘇る以前は暴君お姉ちゃんという印象でしたね。
まあ記憶が蘇った後は、まるで娘のような感覚でしたので、無理難題も微笑ましいものでした。
それにしても旦那様が婚約者を決めないものですからお嬢様の今後が心配です。
どのような未来でも私がお嬢様の傍から離れることはありませんがね。
ルースグロアside
(6歳の頃)
わたしは、辺境伯の娘という立場に産まれただけの存在…
もちろん家族からのあいじょうは感じている。 けれど、わたしの過去が
素直に感じるのを邪魔をする。
そう前世という
おもくてくらい呪縛が…
わたしの前世は遺伝子操作が人にも認められた世界で、
カプセルの中で生まれたヒトのかたちをした生命物体としての一生。
感情というものがなかったわけではなくただおもてに出せなくされていただけ、
わたしの開発に携わった研究者のデータベースにあった電子書籍を自由に読ませてもらっていた頃は、人と変わらない生活で、物語のお嬢様のわがままにあこがれたもの…
最後の記憶は、人の不注意で起きた災厄から逃げ遅れた人を救助したにも関わらず、
災厄を引き起こしたのは私だとして廃棄処理されたこと…
わたしは、6歳のときその記憶が蘇った
しばらくは、混乱したけれどあの頃あこがれた状況にいることによろこび、
そして親との接し方について悩んだ。
はじめは、あこがれのお嬢様を真似てわがままばかりの生活をしてみた。
けれどすぐにわたしというそんざいにそのようなことは許されないのでは
というきもちにつぶされる毎日…
7歳の頃に一つ年下のいつも傍にいた子が突然ふらっとカーペットに倒れ込んだ。
このとき、わたしは周りのおとなに
「この子を助けて!」
と、はじめてわたし自身のためではないわがままをした。
その後わたしは両親に人を助けることはとてもいいことで助けるためなら、
遠慮なくわがままを言いなさい。と言われたそのとき前世の行いが間違って
いないと、ようやく認めてもらえたという気持ちであふれ、涙というかたちで
外に溢れ出した。
わたしはこの子が将来苦労しないように鍛えてあげないと、と決意しわがまま
という愛のムチで支えていくことを転生させてくれたであろう神さまに誓った。
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