第6話 北野の秘密

「えっ?」

北野の顔が止まった。錦戸は彼女を見た。

「何いきなりそんな・・・。」

彼女は動揺した。

「何を根拠に?」

北野は目を泳がせながら錦戸に聞いた。

「プールにいる時、周りを見ては、目線を気にして、喜んだり、落胆してたりしてたから。」

錦戸は言うと、

「そ、それだけでは、見られるのが好きとは限らないじゃない。」

北野は焦って、顔を赤らめながら言うと、

「さっきの派手な水着だって、周りの注目を浴びるためじゃないの?周りの目が嫌なら、あんな水着着ないと思うけど。」

錦戸は核心をついたように言った。

「・・・。」

北野は俯いて黙った。暫くして、

「そうよ。私は見られるのが好きなの。」

北野は事実を述べた。

「目線を感じると、体が熱くなるの。」

北野は頬を少し赤らめながら言った。

「・・・。」

錦戸は無言でただ聞いていた。

「私・・・、変わっているの。」

北野は言った。

「そうだね。」

錦戸はただ答えただけだった。

「・・・。」

「・・・。」

二人は無言のまま歩いた。

「けど、北野さんの本人の口からその話しを聞けて良かった。」

錦戸は言い、

「えっ?」

北野は意外そうな顔をして言った。

「どうして?」

北野は錦戸の真意を確かめたく聞くと、

「やっぱこういう話は本人から直接聞きたいから。」

錦戸は優しく言った。そして北野は少しドキッとした。

(?何、今の?)

北野はまだ自分の気持ちの変化に気づいていなかった。

そしてそれぞれの自宅に二人は帰った。

次の月曜日。学校にて。

北野は少し心配していた。錦戸との学校での関係が少し変わるのではないかと。

「お早う、錦戸。」

クラスの男子が言い、北野はドキッとした。北野は錦戸の方を見たが、錦戸はいたって普通だった。そして北野は錦戸と目が合い、

「お早う。北野さん。」

錦戸は優しく言い、

「・・・お早う、錦戸君。」

北野は穏やかに言った。

放課後。錦戸が帰ろうとした時、

「試験が近いから、部活休みなの。だから一緒に帰りましょう。」

北野は目線を反らしながら言い、

「うん。良いよ。」

錦戸は喜んで答えた。二人は学校の階段を降りていると、ふと北野は思い出したように、

「いけない。忘れ物。」

と言い、振り返って階段を上がり始めた。

錦戸は彼女の後ろ姿を追う。スカートと太ももとの角度が大きくなる。錦戸はじーっと見入った。

そしてある角度の時、パンツが見えた。かなり、アダルトなパンツだった。

「おぉ。」

錦戸は感嘆の声を漏らした。そして、北野は振り向き、錦戸はドキッとしながら、目をそらした。北野はニヤけながら言った。

「エッチ。」


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