2018年12月/6冊 積ん読常習犯の年末大掃除は修羅場
年末ということで、大掃除を兼ねた模様替えをした。我が家で最重量を誇る
アンティーク製ブックケース(=高級分譲マンション)を動かそうと、中身を
ぜんぶ出していたら【積ん読リスト】から漏れていた、つまりは
もう恐ろしくて部屋の片づけなんて、できない。
横にして重ねたり、前後に並べて置いたりするから、こういう弊害が起きるのだ。でも、一段につき一列なんて無理。そんな場所ありません。
そして、購入時期は、またもや2001年ときた! 先月、謎の細胞分裂によって2冊が増加したばかりだというのに……なにこれ、呪い?
たぶん【2001年】という暦に浮かれてたんだろう。あれから17年も経つけど【宇宙の旅】は、いまだSFだし。つまらんわー。
なにより、当時の自分に通信文を打ちたい気分。
「ソレイジョウ、カウナ。タノム。マジ、ヨマネーカラ」
さて、掃除といえば脱線はお約束。片付けそっちのけで、写真集・画集のたぐいを読みあさる。
学生時代、美術部だった私は、西洋建築や西洋絵画が大好きで、死ぬ前に一度はイギリスとドイツを訪れたいという夢をもっている。教会や美術館をめぐり、文豪ゆかりの地を
翻訳家、松本侑子さんの『私の青春文学紀行』を読みふける。いいなぁ。こういう本、出したい……時間が、あっという間に過ぎていく。
久々に高級分譲マンションから出た
そして重い腰をあげつつ、いざおさめようとして、絶句する。
どうやって入ってたんだ? おまえたち……。
限られた空間に無理やり押し込まれ(入居率185%)テトリスのごとき入り組んだ並べ方をされていた本様たちの、もとの居場所がわからない。あーでもない、こーでもないと、出したときの3倍の時間をかけて、おさめ直す。疲弊。
宇宙 未知への大紀行3 百億個の太陽
/NHK「宇宙」プロジェクト編 2001年10月
21世紀の最先端テクノロジー 空想科学への大逆襲
/未来科学研究所編 2001年8月
宇宙 未知への大紀行4 未来への暴走
/NHK「宇宙」プロジェクト編 2001年12月
風の吹くまま/ジル・チャーチル 2016年3月
夜の静寂に/ジル・チャーチル
さよならは言わないで 下/ロバート・ゴダード 2017年11月
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12月の「ちょっと一言云わせて本」
『宇宙 未知への大紀行』シリーズ
先月に続いて2001年代【ツン地層】からの消化本は、冒頭に記した「なんてこった、また増えた!」の当事者たちである。
今だったら立ち読みして終了のたぐいだが、17年前はSF、宇宙関連というだけで購いあさっていた。
年季の入りすぎた積ん読というのは、読書傾向の変遷がよくわかる。
せいぜい5、6年の【ツン地層】しかお持ちにならない方には「ふっ……マダマダよ」と申し上げておく。
本シリーズでは池澤夏樹氏がエッセイを連載しているのだが、これが実に良い。とりわけ『大紀行1』では、視界がぼやけて最後まで読めなかった。
タイトルは『1977年に旅立った二人への手紙』
……池澤さん、このネタはズルいって。探査機ボイジャー1号・2号に向かってきみたちと語りかける手紙形式はマズいって、ほんとにもう……ぐすん。
私は機械の擬人化にめっぽう弱い。『2001年宇宙の旅』のHAL9000なんかもう
感情移入しすぎて自分が怖くなった。私の前世ってロボット? みたいな。
最近はアレに尽きる。探査機はやぶさ兄弟。特に初代兄ちゃんに関しては、
いまだにボロクソ泣ける。演技のテストで突如「泣け」と要求されたら
「っしゃー、はやぶさ関連の資料と映像持ってこいや!」で済む。
『2018年3月』にて「本で泣いた記憶がほとんどない」とぼやいているが、
それは、はやぶさ関連の書籍をことごとく避けてきたからだ。 手元には一冊もない。立ち読みもしない。ネットや新聞のわずかな記事だけでウルウルポタポタとくれば、紙媒体で腰をすえて読んだ日にはもうバッシャーン、ドッピューン。
涙腺のK点越えは必至。特大ジャンプ確実。金メダル確定。
私にとってはまさしく「号泣する準備はできていた」の世界なのである。
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