第8話別れ

いつかは別れを言わなければいけないと思いながらずるずると日々が過ぎていった


言い出せたのは、嫁になる人と一緒の家に住む前の前日だった


相手が自分に好意を抱いているのはわかっていた


冷たいかな、自分はその時は何も感じなかった

淡々と別れを切り出した

それでもいいから今のように付き合って欲しいとかいろいろ言われた

高校時代から好きだったとも言われた


車で家の近くに送ってもらって歩いていると、彼女が走って来て、ハグされた

結構長い時間のような気がする

その時、朝日が綺麗だったのが覚えている

その間何も話す事なくただ延々と



風の噂で

今はシングルマザーで子供を育てていると聞いた

ただ相手の男性とは結婚もせず最初から独りでやっていたらしい


自分の子ではないらしい・・・



相手の気持ちを以て遊び・・・

この時の自分は最低な男だった


嫁になる人があんな事にならなければ、この人と結婚していたんだと思う

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