6 地獄

 私は私だけの地獄をひたすらに歩き続けている。

 私はその中で少しずつ確実にすり減り、そしてやがては腐り墜ちていく。

 私の地獄に近づくものもある。同じような地獄を歩むものもある。

 しかし、それは私の地獄ではない。

 私の地獄には、私しか存在しえない。

 しかし私は、この私の地獄に何者かを引きずり込み、共に腐り果てることを強く、何事よりも強く求め続けている。

 そして私は、この私の地獄に何者かを引きずり込み、共に腐り果てさせることを強く、何事よりも強く恐れ続けている。

 私の肉と精神は、この行き着く先の決まった地獄の道の途上で、永遠の分離の上に絶え間ない葛藤を今この時も抱え続けている。

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