Moovie Mooving
レンタルビデオ屋で、ようやっと旧作になった映画を100円でレンタルする。オンデマンドの配信サービスもリアルタイムで公開中に観に行くのも、コストの面から適切ではない。いや、配信サービスには加入していたとしても目当てのものがラインナップに加わらない可能性はある。最寄りの映画館は電車で5駅、さらにバスで30分……往復の交通費がバカにならない。わたしはみんなと一緒に盛り上がれるタイミングというものを捨てて、自分のペースで好きな映画を観るようにしていた。
家に帰って、型落ちのプレイヤーで映画を再生する。好きな若手俳優が出ているのだ。今はもうグループを卒業してしまったが、わたしの推しているアイドルもヒロイン役で出演している。つまりどうあがいてもアドが取れる、わたしにとって都合のよすぎる映画だった。
ただ、その分……と言ってはなんだけれど、ストーリーは大味でありがちだ。難病に冒されたヒロインと、タイムリープ能力を手に入れた主人公。主演ふたりの演技力がカンストしているからどうにか視聴に堪えるものの、キャストが違えば観ていなかっただろう。公開当時のレビューが2.5とかでちょっとイヤな気持ちになったが、内容を知った今では妥当かな、と思う。とにかく、この監督には二度とメガホンを取らないでほしい。配給会社と原作があったときはそのファン、そしてなにより役者さんたちがかわいそうだ。
終始表情筋が動くことなく、わたしは映画の視聴を終えた。オチもよくわからなかった。公開当時観に行かなくてよかった、という感情だけが残った。今日はどうしよう。時間もあるし交通費もかからないし、もう2本か3本、映画を借りてこようかしら。
自転車の前かごにDVDを放り込み、レンタルショップまで漕ぐ。色々と棚を見て回る。グロいのはイヤだから、ホラーとやくざ物以外で……あと時代劇も趣味じゃないかな。適当に数本選んでレジに向かった。再び帰宅。たっぷり時間はある。
今度の映画は当たりだった。キャストはパッとしないがストーリーと演出が巧みで、後半は引き込まれてしまった。テンションを維持したまま次の映画を観る。アニメ映画。3Dモデルを多用しているとかで、動きはぬるぬるしていたが質感はセル画と変わらない。話も良かった。
(さて、お次は?)
サスペンス物。トルコの映画だ……ホラーチックだがエンタメの基本に忠実。面白い。
さて、お次は……。
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