2
「なんか同級生とお酒を飲むっておばさんになった感じがするね。」
「年齢を感じるよね。」
乾杯をして先に口を開いたのは真由子だった。
「アキは今、何してるの?」
アキは突然笑いだした。
「…どうしたの!?」
「いや、そういうところ変わってないなって。」
あー、泣ける!と涙を浮かべながらも笑い続けるアキ。
「もー!アキー!」
こんなやりとりも中学生のときのまま。真由子もアキも、ただただ懐かしい気持ちでいっぱいになっていた。
「あ、私ね、今、AKKOっていう名前で創作活動してるの。」
「小説家?」
「なんでわかったの?」
「だって中学のとき文芸部に入ってて何回か賞貰ってたからさ。」
「よく覚えてるなぁ。」
苦笑いをしながらアキは続ける。
「真由子は?」
「いや…私は…アキみたいに立派じゃないし…」
「それ。」
アキはギターを指さす。
「バンド?」
「あ、実はね…」
真由子が話しだそうとしたとき、アキは止めた。
「……どうしたの?」
「ノート!」
「…ノート?」
どうやらこんな何気ない昔話も十分ネタになるらしい。
「……波乱万丈な人生だね。」
全てを聞いたアキはようやくペンを置いた。
「こんな過去も小説とかのネタになるの?」
「十分!十分!」
満足気にアキはノートをカバンにいれて
「お。23時か。そろそろ帰ろっか。」
2人は会計をして店を出た。
別れ際に真由子とアキはお互いの連絡先を交換して
「次は私のおすすめの店、教えるよ。」
とアキが言って、また連絡するね。と言って別れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます