「なんか同級生とお酒を飲むっておばさんになった感じがするね。」

「年齢を感じるよね。」

乾杯をして先に口を開いたのは真由子だった。

「アキは今、何してるの?」


アキは突然笑いだした。

「…どうしたの!?」

「いや、そういうところ変わってないなって。」

あー、泣ける!と涙を浮かべながらも笑い続けるアキ。

「もー!アキー!」

こんなやりとりも中学生のときのまま。真由子もアキも、ただただ懐かしい気持ちでいっぱいになっていた。


「あ、私ね、今、AKKOっていう名前で創作活動してるの。」

「小説家?」

「なんでわかったの?」

「だって中学のとき文芸部に入ってて何回か賞貰ってたからさ。」

「よく覚えてるなぁ。」

苦笑いをしながらアキは続ける。


「真由子は?」

「いや…私は…アキみたいに立派じゃないし…」

「それ。」

アキはギターを指さす。

「バンド?」

「あ、実はね…」

真由子が話しだそうとしたとき、アキは止めた。

「……どうしたの?」

「ノート!」

「…ノート?」

どうやらこんな何気ない昔話も十分ネタになるらしい。


「……波乱万丈な人生だね。」

全てを聞いたアキはようやくペンを置いた。

「こんな過去も小説とかのネタになるの?」

「十分!十分!」

満足気にアキはノートをカバンにいれて

「お。23時か。そろそろ帰ろっか。」

2人は会計をして店を出た。



別れ際に真由子とアキはお互いの連絡先を交換して

「次は私のおすすめの店、教えるよ。」

とアキが言って、また連絡するね。と言って別れた。

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