君との約束

みたに ゆづき

「着いたー!」

真由子は、とあるアーティストに憧れて上京してきた。

地方出身の真由子にとって、ここは同じ日本かと疑問に思ってしまうほどの別世界だ。



少しずつ慣れてきた、とある夜のことだった。

真由子はギターをひっさげてウロウロしていた。

「落としましたよ。」後ろで声が聞こえたので振り向くと、その人の手にはギターのピックがあった。



「ありがとうございます。」とぺこりとお礼を言うと、その人は真由子の顔を見ながら言った。

「人違いならごめんなさい…もしかして、坂田真由子さん?」

その人はなぜか真由子のフルネームを知っていた。

「あ、覚えてないかな?私、同じ中学だった森 アキ。」

そこまで言われて真由子はやっと気づいた。確かに言われてみれば面影がある。

「アキ……?」

「思い出した?」ふふと笑いながらアキは続ける。



「真由子、今時間ある?」

「うん。」

「ちょっと話さない?久しぶりだし。」

真由子とアキは近くにあった居酒屋に入った。

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