5-3

 屋上は無人だった。ソフィーの姿はどこにもない。


 柵から身を乗り出し、島を見渡す。海と山。わたしたちはどこにも行けない。


 いつだったか、ソフィーがどこからともなく現れたことを思い出した。屋上の陰に回って探す。だが、やはり誰もいない。そのかわり、リボンと包装紙でラッピングされた小箱があった。リボンと箱の間にクリスマスカードが挟まれている。



 メリークリスマス


 壁にぶつかっているようだね。このプレゼントが君の道を拓くことを祈っている。


 君の親愛なる友人より



 わたしは箱を開いた。

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