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3-1

 授業が終わると、晩の礼拝。バシリカ式の礼拝堂に中等部と高等部の全生徒が集合する。天使長が説教をする。われわれは主の誕生を祝す祈祷をささげ、聖歌を歌った。


 クリスマスはまだまだ続く。


 礼拝が終わると、今度は講堂に移動になった。幼少部から高等部までの全生徒を収容できる巨大なホール。発表会のはじまりだ。最初の演目は幼少部の聖誕劇だった。白い翼を背負ったガブリエルが舞い降り、マリアにメシア受胎を告げる。マリアは台詞をとちらず、衣装の綻びも見当たらなかった。


 クリスマスはまだまだ続く。


 われわれ高等部の発表はグレゴリオ聖歌だ。少女たちの清らかな声音が行動中に響き渡る。


 クリスマスはまだまだ続く。


 イザベラはずっと笑っていた。発表の一つ一つに拍手し、はしゃぎ、明るい声で話しかけ、夕食の後に出たケーキを切り分けてくれた。


 何も言いたくない。言えばまた彼女の笑みを壊してしまう気がした。


 クリスマスはまだまだ続く。


 夜になった。わたしは時計を気にしはじめる。


「ねえ、サム。この後だけど――」


 何も言いたくない。だが、言うべきことがある。


「すまない。先約があるんだ」

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