学校とか爆発してなくなんねーかなー
「それじゃあパパ、義務教育って何? 勉強するのが義務ってこと?」
「あ~、義務教育って言い方だと、なんか子供が勉強するのが義務って感じに思えるよな。でも、違うんだな、これが。これは、<子供に教育を受けさせる義務>のことであって、親とか保護者の方の義務なんだよ。子供の方にあるのはあくまで<教育を受ける権利>なんだな」
「なんかそれも分かるような分からないような……」
「要するに、美智果が学校に行かなかったら逮捕されるのはお父さんで、美智果は学校に行かなくても別に怒られないんだよ」
「え? そうなの?」
「うん。美智果が持ってるのはあくまで<教育を受ける権利>だから。しかも、<子供に教育を受けさせる義務>っていうことは、教育を受けさせてるってのがちゃんと立証できたら学校じゃなくてもいいんだよ。
美智果は学校が好きで楽しんで行けてるからいいけど、もし、イジメられたりしててもう耐えられそうにないっていうんだったら学校なんて行かなくてもいいんだ。教育が受けられてればいいんだから、命を懸けてまで行く必要はないってこと。
もし、中学校に行ってイジメとかあって行きたくないってなったら、行かなくていいよ。今は学校の代わりをしてくれるところもあるから、そっちに行ったらいい」
「そしたらお父さんも逮捕されない?」
「逮捕されない。
学校は勉強をしに行くところなんだよ。イジメられに行く所じゃない。ただ単にサボりたいだけっていうのなら具合悪いけど、自殺したくなる程も無理していく必要はないんだ。
美智果が行ってる学校はそういうところをちゃんとしてくれる学校だから、美智果も楽しんで学校に行けてるだろ?。友達に会いに行きたいだけだとしても、友達に会いに行くついでに勉強もできる。その感じで十分だと思うよ。中学まではね。
高校以上は義務教育じゃなくて本当に<勉強する為に行く>ところだからあんまりのんびりもしてられなくなるにしても、それでもやっぱり勉強しに行くんであって命を捨てに行く場所じゃない。死にたくなるくらい辛いなら、行かなくてもいいんだ。生きてなきゃ意味がないんだからさ」
「そっか。じゃあ、友達に会いに行くだけでもいいんだね?」
「それでいいよ。今でも美智果は十分に勉強できてるし」
たぶん私が、リンちゃんのこととかあっても学校が好きなのは、パパがそう思っててくれてるからだって気がする。無理に学校行かなくていいって思ってくれてるから、『もうちょっとがんばってみようかな』って思えるんじゃないかな。
よっしーやマリーはそうじゃないんだって。「行け」って言われるから行ってるけど、ホントは、『学校とか爆発してなくなんねーかなー』とか思ってるって。
なんか、寂しいな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます