私はちゃんと元気だよ

私は、基本的に起こされなくても起きられる。って言うか、寝てるのもったいないんだもん! 早く起きて遊ばなきゃ! 時間なんていくらあっても足りないよ!


でも、起きてまずするのは、穿いてたおむつを捨てること。私が今使ってるのは、『ビッグよりも大きいサイズ』っていうおむつ。だけど最近、ちょっと窮屈かなと思ってたりする。だけどこれ以上ってなったら、大人用のSサイズってことになるかなってパパが言ってた。


おねしょは、今も治らない。


パパが言うには、ママが亡くなる前くらいには治まりかけてたんだけど、ママが亡くなってからぶり返したって。


パパも小学校の二年生まではおねしょしてたって言うから気にしないでいいって言ってもらえてたけど、もう六年になるのにまだ治らない。


私も、正直言ったら悩んでたりしてないわけじゃないよ。もしこのまま、大人になっても治らなかったらどうしようって思ったこともある。


だけど、パパが言ってくれたんだ。


「じゃあ、おねしょしても許してくれる男の人を見付ければいいじゃないか。お父さんは平気だよ。もしママがおねしょしてたって平気だ。ママだったらね。だから美智果も気にしなくていい」


って。


パパ、大好き♡


そうだよね。おねしょが治らなくたって誰にも迷惑かけないじゃん! へーきへーき!


って感じに自分に言い聞かせるかな。


それに、臨海学校でお泊りした時も、先生がちゃんと他の子には分からないようにしてくれたもん! 寝る前に先生の部屋でおむつ穿いて、起きたら先生の部屋で脱いでってさせてくれたから。


実はその時、私以外にもそういう子、いたらしいんだよね。しかも二人も。


でもな~、やっぱり恥ずかしいとは思ってるんだよ~。これでもさ~。だけど治らないんだよ~。なんでだよ~。ちくしょ~。


それでも、気にしすぎても治らないってパパが言ってたのもそうかなって思うんだ。


パパが言うように、もし大人になっても治らなくても、それが命に係わるようなことじゃなければ別にいいじゃん。って思うようにはしてる。人には誰だって、欠点とか弱点とか、人には言えないようなこととかあるってパパも言ってくれてたもん。


「パパも完璧じゃないから、美智果も完璧じゃなくていいよ。完璧じゃなくても、美智果は僕の宝物だから」


って言ってくれるもん!


女子力なくたって、ゲーオタだって、おねしょ治らなくたって、私は私だよ! ママとパパの娘だよ!


ママはもういないけど、パパがいてくれるから平気!


私はちゃんと元気だよ!


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