そして三度目のお手紙


 泣き濡れて、いつの間にか寝たのでしょう。

 私は裸のままでベッドに寝ています、気がつけば皆が一緒に寝ています。

 大きなベッドを四つほど並べて、皆が私に抱きつくようにして寝ています、私をここまで運んでくれたのですね。


 私はそっと起きました、そして皆がいることに、なぜかほっとしました。

 ビクトリアさんが泣きはらしたような顔で寝ています。


 私は皆の顔にキスをしました。

 そして小さい声で言いました、必ず誓いは守りますと。


 サリーさんが、

「お嬢様、皆起きていますよ」

「恥ずかしい……」


 サリーさんが、

「私たちはあれから、お嬢様をここまでお連れして話し合いました」

「私たちの過去と巫女様への想いを、洗いざらいさらけだしました」


「私たちはすべて、お嬢様の女であり従う者である、そしてお嬢様は私たちの主で、だれにも手出しさせない」

「私たちを愛してください、捨てないでください、共にあってください!」


 皆さんの視線が私に向かっています。

 私は、「こちらこそ、よろしくお願いします」と言いました。


 それから私たちは、一緒にお食事をして、一緒にお風呂に入りました。


 そのあと、私たちはこれからのことを話し合いました。

 とりあえずは、主席のいっていたことを検証しました。


 ダフネさんが、

「衣服の元の持ち主との出会いの話しですが、どうゆう意味でしょう?」

と聞くので、「多分、姉のことでしょう」と返事をしました。


「では、姉上様と巫女様は、会えるということですか?」

「主席の言葉通りなら、そうなります」


「それを待って見るつもりです」

 その時のための段取りを、打ち合わせしました。


 次の日、小雪さんが三度目のお手紙を持って来ました、こんどもエラムの言語で書かれています。



 お知らせ


 黒の巫女様におかれましては、ジャバ王国女王に即位され、ここにお祝いを申し上げます。

 このことは、我々の願いをお聞き下されるお考えではと、期待しておりますが、黒の巫女様には、公平にこの世界の見聞をお願いします。


 またパスポートキー登録者が、五名に増えたのは意外ではありました。


 ところで、黒の巫女様の転移の時、エネルギーを全て使い切り、お姉さまとの盟約が実行できなく、申し訳なく思っていましたが、このたび一部の予備動力に、ささやかですがエネルギーがチャージできました。


 これにより映像ではございますが、二日後に短時間、通信できるようになりました。

 このことを謹んでお知らせいたします。


    あなた様のしもべの代理より



 短い手紙ですね、とくに主席については、完全に黙殺していますね。

 でも、少し文面の雰囲気が変わっていませんか?

 意外という言葉は、なにか人間的ですよ。


 二日たってその時が来ました。

 突然、私の目の前が輝きだして、唐突に画像が浮かび始めました。


 姉さん……


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