肉体再構成


「巫女様!」

「ダフネさん、この人を治療します、手伝ってください」

 ダフネさんはテキパキと手伝ってくれます。


 ななしさんの衣服を剥ぎ取って、ダフネさんは息をのみました。

「どうしたらこんな酷いことを思いつくの!」


 そう、ななしさんは体中傷だらけです。

 切り傷だけではなく、火傷の痕や、足の爪も一部剥がされたりしています。

 あの男、戻ったら同じ目にあわせてやる……


 とにかく前室の診察台に乗せました。

 私の頭の中で如何するのか、聞かれたような気がしますので、パスポートキー登録と、身体中の傷も治療するように強くイメージしました。


 閃光が起こり、ななしさんの身体がだんだん消えていきます、最後に白骨の状態になりました。

 しばらくして、徐々に筋肉や内臓が復活し皮膚が出現し、最後に髪が生えてきました。


 遺伝子情報を解析して、肉体を再構成できたようです、その後、計測器のようなもので、ななしさんの身体を念入りに計測していました。


 ダフネさんが真っ赤な顔をしています。

「巫女様、ここからは先は、人に見られたくないものですから!」

 と、リリータウンへ追い出されました。


 久し振りのリリータウン、いつものようにアリスさんが出迎えてくれます。

 アリスさんが云うには、ダフネさん以外はキリーの町で、海水浴を楽しんでいるそうです。


 皆さん、好きですね、でもウミサソリキングは大丈夫なのでしょうか?

 何はともあれ、若い衆には目の毒でしょうね。


 ダフネさんが、ななしさんをつれてきました。

「ななしさん、バスローブはどうしたのですか?」と聞くと、「イシュタル様の許可なくして、衣服は着られません」


 ななしさんは文句なしの美少女です。

 真っ白の髪と真っ白の肌と赤い瞳、胸は少々小ぶりですが、引き締まったヒップが、若さを強調しています。


 ん、赤い瞳?


 アリスさんが、

「その方の遺伝子情報はほぼ正常です。先天性白皮症が少し出ていますが、個性ということで、再現したということです」

「しかし紫外線などに弱いことになるので、特別に耐性をつけています、通常の生活に支障はありません」


「とりあえずバスローブを着てください」

「アリスさん、所持者とリリータウンについての説明をしてあげてください」


 アリスさんが説明している間に、ダフネさんにななしさんの印象を聞いてみました。


「感情のない方ですね、あの身体を見れば、どれほど惨いことをされたのか想像できます、生きるために感情を捨てたのでしょう」


「ダフネさん、失礼ながら、あなたは私たちの中で一番年上、できれば、少し彼女のことを気にしてやってくれませんか?」

 ダフネさんは頷いてくれました。


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