何のための体力ですか!


 一時間ほどして、サリーさんが、私の服をもって帰ってきました。

「お嬢様、今回のことは、重ね重ねありがとうございます」

「ダフネさん、本当にありがとうございます。妹が無事だったのは、ダフネさんのおかげです」


 サリーさんはビクトリアさんと一緒に、マリーさんを連れて、ミハエルさんの所へいったそうです。

 マリーさんを紹介して、私の亡霊の館の管理人となることも伝えたと、報告してくれました。


 サリーさんに、マリーさんが家へ帰ったと、宿屋へ伝えてもらいました。

 帰ってきたサリーさんに、「ミハエルさんはお元気でしたか?」と聞きます。


「はい、ミハエルさんはすこぶるお達者で、お嬢様にご挨拶できないことを、残念がっていました」

「そしてマリーのことは、悪い虫が付かないように、万全をきしてくれるそうです」


「マリーは少し寂しそうでしたが、ミハエルさんが孫娘さんを紹介してくれて、なにか二人で楽しそうにしていました、私も時々顔をだしたく思います」


「よかったですね、マリーさん、私と背格好は同じでしたが、お幾つだったのですか?」

と聞くと、サリーさんが「十八です」と云ったので、驚きました。


「マリーさんは私と同じ年なのですか!」

 と言いますと、サリーさんもダフネさんも、もっと驚いた顔をして、

「お嬢様は十八だったのですか」と、大きな声を出します。


「本来二十だったのですが、この世界に来るとき、十八の体になったのですが何か?」

 サリーさんが、

「実はお嬢様は、十五ぐらいと思っていました」


 ダフネさんも、

「私もそう思っていましたが、そうですか、ならば遠慮はいりませんね」

 意味が分かりません?


 でも……晩ごはんの後……


 朝というより昼です、私たちはようよう起き上がり、身じまいをして、お食事にいきます。


 食事を取りながら、私にサリーさんが、

「これからダフネさんが加わると、アリスをいれて五人です。お嬢様には体力をつけていただきます」


「お嬢様、サラダばかりでは、元気が出ませんよ、肉ですよ、肉!」

「そうですね、ダフネさん」


 ダフネさんが、

「巫女様とは体力です!」

 何のための体力ですか!


 とにかく今日はお休みです。

 王位継承トーナメントは、明後日から予選だそうで、私個人としては、人が死ぬところなんて見たくありませんが……

「少し寝てきます」、といって、二人を残しべッドに潜り込みにいきました。


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