栗毛色のポニーテール


「お嬢様に会いたくなったのです」

 サリーさんはストレートです。


 で今後をどうするかで、私をのけものにして協議しています。

 ダフネさんはまだ、この協議には入れてもらえません。


 結局、籤引きとなり、ビクトリアさんの代わりにサリーさんが供をするそうです。

 ダフネさんは、しばらく私と供をすることになりました。

 そしてビクトリアさんと、しばしのお別れです。


 この後、リリータウンで少し身体を養生してのち、キリーの町で若い衆を鍛えるそうです。

 またウミサソリキングをぶっ飛ばすんですかと聞くと、なまらないようにするんだそうです。


 小雪さんとアリスさんには、熱いキスを交わしておきましたね。

 これでしばらく満足してもらいましょう。


 小雪さんは、しばらくリリータウンでアリスさんと一緒に、ダフネさんを迎える準備をするということです。

 サリーさんとダフネさんを除いて、みんなは帰っていきました。

 結局、ダフネさんを値踏みに来たのでしょうね。


 さあ、サリーさん、お小言を聞きましょう、なんたってサリーさんですから。

 サリーさんが、「お嬢様、寂しかったです」と、私の側へ寄ってきて横へ座りました。


 私にピッタリと寄り添い、栗毛色のポニーテールが、顔にかかりくすぐったいです。

「サリーさん、最初の朝とはかなり違いますね」と、二人で最初に迎えた朝を思い出して、少し笑ってしまいました。


「少し、やけますわ」と声が聞こえます。

 いつのまにかダフネさんも、私にピッタリくっついています。


 金色の髪をポニーテールにして、「このような髪形がお好きなのですか」といいます、そして「巫女様」といって私の髪をさわります。

「ダフネさん、お嬢様にべたべたさわらない」と、サリーさんが少し怒っています。


 やれやれ、とりあえず食事にしましょう。


 サリーさんは食事の後の、チョコレートドンクが大好きです。

 これを飲んでいるときは、幸せそうにしています。

 私は昨夜の女の争いに、少々疲れていますが、サリーさんのうっとりした姿を見ると、めげずにがんばろうと思うのです。


 ダフネさんも、気をつけてあげなくてはいけません。

 私はミハエルさんの言葉を、思いだしていました。

「人間溜め込んだものを出さんと破滅するぞ、破滅は忍び寄ってくる、気をつけることじゃ」と。


 ダフネさんは少し異常です。

 何か非常に寂しがり屋というか、甘えたいのか、甘えてほしいのかは、今は分かりませんが、かまって欲しいと明確な意思表示をしています。

 多分その言動は、見ての通りのように思えます。

 私は黙ってダフネさんにも、チョコレートドリンクを作って差し上げました。


 ダフネさんは初めて見る飲み物に、戸惑っていましたが、サリーさんが美味しそうに飲んでいるのを見て、飲み始めました。


 どこかで見た反応が、今また繰り返されています。

 そう、ダフネさん、陶酔しています。


「巫女様!これは何という飲み物なのですか!体がとろけるようにおいしいです!!」

 私は笑ってしまいました。


 サリーさんも笑って、

「私と同じですね、私も初めてのときは同じことを言いました」


 ダフネさんもつられて笑っています。

 こうして、ほんの少しサリーさんは、ダフネさんに打ち溶けてきました。


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