惑星エラムについてのノート 其の二


 大陸の主要国については、


 アムリア帝国は軍事独裁国家で、皇帝が統治する。

 自らはレムリアの末裔と称して、神話にある古代レムリア再興を国是としている。

 国力は抜きん出て、大陸の北方に位置し、世界の三割を領土としている。

 また未開の北部列島に対しての、大陸防御も結果的にはたしている。


 フィン連合王国は、八つの王国が連合する連合王国で、至高王(ハイキング)が統治する。

 武力至上主義で、軍事力に限定すれば、アムリア帝国と拮抗できる。

 大陸東部の二割ほどを領有している。


 ホラズム王国は立憲君主制で、一院制の議会がある。

 国王が、議会の選出した枢密院の補佐を受けて統治する、穏健な文明国家。

 大陸西部に二割を領有している。


 そのほかとして、

 神聖教団直轄領があり、大陸中央部に位置し、大陸の五パーセントほどの領地を持っている。

 大賢者が名目上、統治することになっている。


 またカルシュ自治都市同盟というものもある。

 大陸南部には、ところどころに辺境領がある、その中の最大なものに、ロマニア大公領がある。


 さらに南部の島は、ジャバ王国といわれ、奴隷貿易で成り立っているらしい。


 暦については、驚くことに地球のマヤ暦とかなり似ている。

 祖先がえらんだ星なので、やはり地球とよく似た自転と公転を持っている。

 このエラムは、一日は地球と同じだが、二十四時間ではなく二十時間、一か月が二十日からなり、一年は十八か月で、不吉とされる余日が三日あり、一年は三百六十三日らしい。


 この計算から約一時間は、地球でいう七十二分程度になるということであるが、十進法で統一されている。

 エラムのほうが合理的に感じる、ちなみに貨幣単位も十進法らしい、最終的には金塊がものをいう。


 ノートはここまでですが、


 推測として

 私たちの小さいカバンからは、必要な場合、小粒の金塊を取り出せます。

 これはこのエラムの熱水鉱床と、海水の中より取り出していると思うのですが、あくまでも推測です。

 またある程度のダイヤモンドも取り出せますが、これは炭素から作れるので、私を転移させた技術力ですから比較的簡単でしょう。


 これらについては、あまり使わないように……


 ここで、はたと気が付きました。

 ビクトリアさんの年齢は、殆どそのままの地球における年齢?

 魔法で寿命を操作したのでしょうが、どうして?


 この魔法については、小雪先生に聞いたのですが、アンドロイドを製造した者にしか、分からないとの返事でした。


 でも、ビクトリアさんは大変なお婆さん、こんど茶化しましょうか。

 いや、やめておきましょう、女に年は聞かぬもの、本人が触れぬ以上、タブーといたしましょう。


 このリリータウン内では、全て地球の暦で運営される。

 アリスさんも、それを前提で時間管理をしている。

 エラムでは時間も十進法、一日、午前が十時間、午後が十時間になっている。

 小雪先生にこのあたりを、よく皆さんに伝えてもらいましょう。


 あと冠婚葬祭について、特に私が引っかかるのは、前にも手紙で読みましたが、女性の多さゆえで、基本は一夫多妻であるが、べつに女性が女性と婚姻する同姓婚が、なんの不思議もなく認められていることです。


 私が、サリーさんやビクトリアさんをはべらしている現在の状況は、エラムではなんらモラルに反しない……

 とは理解できるのですが……


 嬉しいような、嬉しくないような、嬉しいような……

 嬉しい?


 ちなみにこの世界は、十歳を超えれば婚姻はできるそうで、アリスさんの姿が目に浮かびます……

 十歳ですよ!でもエラムの女性の初潮はほぼ九歳とか……早熟のようです……


 いけない、まずいことになりそうです。


 これ以上考えるのはやめましょう。

 まあ、あとはぼちぼちと、実地勉強でしのぎましょう、ケセラセラです。


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