街並み
あれから一週間……
私たちはアリスさんのレクチャーのおかげで、文化生活をエンジョイしています。
まずサリーさんとビクトリアさんは、居室をもらいました。
三階建てのペンシル住宅みたいなもので、一階は玄関と三畳大のキッチン。
このキッチンには、電磁調理器、小さい冷蔵庫、一人用の食卓、回り階段があり、階段下に洗濯機があります。
二階はユニットバス&キッチン、ホテル仕様になっています。
三階は四畳半大の居室、ベッドが一つとサイドテーブルが一つあります。
二階は私の部屋につながる廊下にでられ、三階は私の住居の屋上庭園へ続いています。
私に割り当てられている住居は、一階は共同利用可能の食堂兼ユティリティ、最初に休憩した場所で、WC、と階段下に四畳大の風呂、二階は私専用の十二畳半の居室と専用WC、大きめの階段を上ると屋上庭園へでます。
ここには四人分の共同倉庫があります、一人当たり一畳大で私にはありません。
私も含めてペンダント式の、パスポートキーと呼ばれるものが発行されました。
このことが、鍵の登録者と呼ばれている所以(ゆえん)らしいのです。
パスポートキーで、ここの生活の給料、チケットの管理をもします。
このチケットで、必要な物を購入できるようになっているのです。
物資は第一倉庫と呼ばれる所から提供され、通販カタログシステムがこれを維持しています。
チケットが一人につき、四万五千円支給されます、借り入れもできますが、四万五千円が限度。
私だけ特別で二人分らしいです、ただし第一倉庫には、贅沢品はないので要注意と説明されました。
栄養補給のためのサプリメンは支給、また最低限の生活必要物資も支給されるそうです。
光熱水道電気代は無し、備品を破損した場合、チケット減額、物品を外部に持ち出すのは三日が限度で、そののち消滅するらしいです。
医療はパスポートキー所持者に対して不要、エラムにおいては、自動的に魔法が行使されるとのことです。
掃除洗濯を、アリスさんに頼むと有料となる(結構高額)。
水道光熱空調は完備、ただしキッチンといっても、水道と湯沸し、調理は電磁調理器と、オーブン電子レンジのみとなるとのこと。
私の部屋へ入ると、私の私物がありました、なぜか姉の服飾、化粧品、飾り物など女性用の品々もありました。
特にバンドネオンとギターがあり嬉しかったですね、一度、聞かせてあげましょう。
通販カタログシステムは、次の制限があるそうです。
●食料品について
生きているものは不可
基本的に缶詰、瓶詰、レトルト食品で一度熱の入ったもの(殺菌)
フリーズドライ食品は可
真空パックは可だが、生ものは不可
→生鮮食料品、ヨーグルトなどの発酵食品、など
→醸造関係は不可
以上を満足する通販カタログ商品で、単価千円以下
●衣料品、靴について
通販カタログ商品で単価五千円以下
●文具事務用品について
通販カタログ商品で単価千円以下
●文化、芸術について
通販上で手に入る、CD、DVD、ブック
レンタルとして、一回百円一日
●家具、布製品について
インターネット通販組み立て家具カタログ商品で単価一万円以下
●その他雑貨について
インターネット百均通販カタログ商品で単価百円以下
すごいと思ったのは、エラムの言語に翻訳されていることです、なんとも用意周到です。
なぜ金額制限があるのか、アリスさんに聞いてみると、第一倉庫には、このオリジナルを真空状態で保存しているが、これをコピーして渡すことになる。
高額な物ほどコピーするのに、資源を消費することになるそうです。
装備品として、小さいカバンと大きいカバンが支給されました。
ビクトリアさんに武器を一つ支給するとのことで、何にするかと聞きましたら『ボウガン』を希望していました。
アメリカテンポイント社の『ファントムCLS―S 一八五ポンド』という物が支給されました。
多分この手の中で、最強最良のものでしょう。
支給品としての服は、基本的に作業服で、
女子脇ゴムスラックス x五
半袖スモック x五
長袖スモック x五
長袖ポロシャツ x五
半袖Tシャツ x五
デニムつなぎ x二
医療用ワンピース x三
医療用カーディガン x五
エプロン x三
下着数枚
たびぐつ x二
野暮ったいものばかりですが、帯電防止とか機能性が優先されています。
でも看護師さんの制服とか、なんか偏りがあります、その上、下着はズロースですよ!
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