恵憂は愛されました
今の日本には飛び級というシステムができている。私としては早々に入学して、早々に大学まで終わらせるつもりだった。そしてじっくり数学に関して研究をしたかった。それに待ったをかけたのはパパとママだ。
「人生、勉強だけが全てじゃないよ。同じ年の級友がいないなんて、恵憂にはもったいないな」
「人生、勉強だけが全てじゃないのよ。恵憂にはじっくり友達っていう存在を考えてほしいの」
「「それが運命の人と出会う最短の道だから」」
パパとママがそういうんだからそうなんだろう。
私は自分で言うことじゃないが、同年代の人と比べて頭がいい。
入学してすぐ、並んで勉強をしていても、「どうしてこれがわからないのだろ」ってなることが多々あった。
それをパパとかママに相談すると
「なんでわからないんだろうって考えてみることも大切よ」
とパパもママも同じことを言っていた。
親の話し合い
恵憂が寝たあと、僕とあーたんはソファに腰掛けて存分に愛を確かめあった。ピチャピチャ音の鳴る淫靡なキス。
15分くらい愛を確かめあったあと、恵憂のことを話すのがほぼ毎日だ。
「案の定、小学校に行くのがだんだん辛くなってきたみたいよ」
「さすがあーたんの娘だね。あーたんも学校行くの辛かったんでしょ?」
「分かりきったはなしを聞いて楽しいと思う人はいないでしょ?」
「そろそろかな」
「そろそろね」
恵憂の歯車が動き出す。
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