新しい夫婦衣生活のプロローグ

今日から始まる新しい日常

さあ4月。私は日本最高学府である、東京大学へ合格した。

 そしてだんな様も大学に入学が決まっていた。流石に同じ東京大学ではなかったけど、都内で十分有名な大学だ。

 立地的に同じ電車でもない。少し寂しいな。

 そんなことを考えていたらそっとキスされた。

「寂しがらないで、ね」

 私たちの間ではキスは、気持ちを伝える1つのコミュニケーションであり、愛情を伝える大切なものでもある。

「帰ってきたらいっぱい話す時間あるから。だから、ね。」

 だんな様は微笑んでるけど。私は少し怖かった

「帰ってきたらだんな様がいなくなってるなんてないよね?」

「ありえないよ。だから、ね」

 また吸い込まれるようにキスをした。


 家を出て反対方面。

 私はもう寂しくなかった。あんなにもだんな様は私のことを想ってくれているんだから。

だから私も想おう。だんな様のことが大好きだって。


つまらない入学式が終わり。

 男がわらわらと私の周りによってきた。正直、うざい。私は早く帰ってだんな様の顔が見たいのだから。だから周りの男をシカトしてつかつかと家に帰った。

 だんな様はまだ帰っていないようだった。シンと静まり返った家は、一人ぼっちだったあの頃を思い出すから苦手だ。

 そしてだんな様は帰ってこない。私が帰ってきてから30分。大学が違えば、入学式の時間も違うのだろう。1時間が経った。それだけで不安だった。もう帰ってこないんじゃないかって。

 そうして2時間が経ったころ。がちゃがちゃと鍵が開く音がして。だんな様は大きな荷物を持って帰ってきた。

「前の家に置きっぱなしだった着替えとか取りに行っててさ」

「そんなことを言っていたけど。私はだんな様に飛びついた」

泣きながら

「不安だったの。もう帰ってこないんじゃないかって。

また一人ぼっちになっちゃうのか。だんな様に会えなくなっちゃうのか。

だから、だから……だから……」

 それを全部聞いてくれただんな様は、泣いて、泣きっぱなしでひどい顔を見ると、なめるように涙を拭って、優しいキスをしてくれた。それだけで安心できた。

 やっぱり私たちはキスで繋がってる。

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