夫婦生活のプロローグ

眠り嫁

 僕のお嫁さんであるあーたんは、ソファで本格的に寝てしまったようだ。風邪を引くかもしれないし。そしてこっちが大きな理由なんだけど、ちょっと際どいところが見え隠れしてる。 

 取れる選択肢は3つ


 毛布をかけてあげる。ちょっと冷える季節には厳しいかもしれない。

 素直に起こす。前述してなかったが、あーたんはなかなか起きないタイプだ。

 布団まで抱っこする。お姫様抱っこできる。これだな。


 起こさないようにそっとお姫様抱っこをする。そのままリビングから寝室へと入る。勝手に入って怒られるかもしれないけど、あーたんに風邪をひかれるより、そんなことより怒られたほうが100倍マシだ。


 ベッド以外なにもない寝室。

 そっとベッドにあーたんを降ろしてあげる。

 そしてこの家に来てからずっと思っていた。この家にはあまりにも生活感がない。これはあーたんに聞かないとな。

 すやすやと寝てるかわいいあーたんを眺めながら、そんなことを考えて、寝落ちした。


 頭を撫でられている感触でうっすらと目が覚めてきた。っていうか体が超痛い。主に腰!

 うっすらと開いた目にはあーたんが映る。嬉しそうに、幸せそうに、笑顔を浮かべていた。それが僕には本当に嬉しくて。がばっとあーたんに抱きついた。

「ふぇぇ……。ちょっとまって。心の準備が……。明るいと恥ずかしい」

 なるほど。勘違いさせてしまった。それに関しては、僕も心の準備ができていない。

 でもやっぱりどちらともなく朝のキスを交わした。

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