5分で読める!「魔王」

魔王「ほう、今回も容易そうな4人が来たな。」


グラン(ええっ!でっかい大男だったり首が何本もある化け物じゃなくて、人の形をしていてしかも女性っぽいぞ!?)


サルウィ「魔王、お前は私が・・・・・・っ!」


魔王「ふん、遅い。」


サルウィ、アウラ、イリス「う、体の調子が・・・・・・。」


グラン「なんだ、皆どうしたんだっ。」


魔王「お前は無事なのか。」


グラン「くっ、次の攻撃がくるっ!」


床から太いツタが生えて来る。


グラン「くそっ、このまま掴まれて、ブンブン回されて。」


壁|グラン「ぐおっ!」(でも、3人の調子は元に戻ったみたいだな・・・・・・。)


サルウィ「くそっ、魔王!お前を許さない!」


魔王「ほう?そういえば、この前捕まえた娘がこんなことを言っていたな。」


サルウィ「な、シャニー・・・・・・?」


魔王「最後は、助けて、助けて、だったか・・・・・・いや、死にたくない、だったか?」


サルウィ「ま、まおううううっ!」


アウラ「うわっ、サルウィが怒りで我を忘れていて風の刃を上手く飛ばせないわ!」


イリス「そ、そんな!」


サルウィ「う、ぐぅっ!」


イリス「ああっ!サルウィが手足を拘束された上に、今まさにその胸を茨が抉ろうと伸びて来る!」


サルウィ「う・・・・・・くぁ・・・・・・。」



グラン「く、サルウィ・・・・・・!こうなったらイチかバチかだ!」


魔王(あいつが身構えだした?怪我をした身で何ができるというのか。)


シュンシュン


魔王(ハ、ただの投げナイフ・・・・・・)


ザクンッ


魔王(ぐおおっ!速いっ!目で負えぬ。だが次は・・・・・・なっ!)


グラン(よし、近づけたっ!)


魔王(馬鹿な。こいつのどこにこんな怪力がっ!)


ガシッガシッ


魔王(グ、掴まれて持ち上げられた。まさか、我をあの怪力で投げ飛ばす気か?馬鹿なっ!)


グラン「うおおおおっ!」


バウンドしながら魔王の体が転がっていく。


アウラ「グラン!転移呪文の準備ができたわ!はやく魔法陣の中に!」


イリス「サルウィの治癒はしといたよ!さぁ、グラン!私の手をっ!」


グラン(ああ、あと3歩だ。それでやっと・・・・・・。)


魔王「いいや、お前は行かせない。」


グラン「うっ・・・・・・なんだ、体の自由が利かないっ!」


イリス「そんな、グラン・・・・・・いやぁぁぁぁ!」



魔王「なんだ、貴様。震えているのか。」


グラン(し、死にたくない。死にたくない・・・・・・死にたくないっ。)


魔王「ふむ。ならば、我が眷属になれば命を助けてやろう。」


魔王(今まで人間共に偽の情報を流して情報を攪乱していた。それがあの3人にバレたら困る。こいつに魔王は死んだを吹聴させる。)


グラン「け、眷属になれば・・・・・・。」


魔王(そうすれば、王国などが動くことは無く、我もまだ生き永らえる。まだせなばならぬことがあるのだ。)


グラン「その提案は受けない。俺を利用するつもりだろ?あいつらには迷惑を掛けられない。(特にイリスには)」


魔王(馬鹿な、今までの人間は死を恐れてきたのに、こいつは恐れないのか?マズい・・・・・・。)


グラン(あぁ、俺は死ぬのか・・・・・・。)


魔王「・・・・・・取引だ。我を僕にして人間達の町へ連れていけ。」


グラン「え?」


魔王「我の目的は、荒廃した故郷の土地を蘇らせる事。人間共からちまちまと情報は集めていたが、今回の件で全てが台無しだ。」


グラン「(拒否権は無いか。それに、俺はやっぱり死にたくない。)」


魔王「だから、我を倒して従わせたとして人間共と争わない、という条件付きで貴様らの町に連れていけ。」


グラン「う・・・・・・わ、わかった。」


フィオレ「こんにちは!私、アルラウネのフィオレ!魔王ヴァルド様の部下なの!」




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