これは、失恋した菜子さんの、自分の気持ちに気づくストーリー。振られたのに涙のひとつも出てこなかった菜子さんは、一見するとたくましい女性なのかもしれません。けれど強さと弱さは紙一重。菜子さんの中にも弱い部分があります。菜子さんの強がりで、でもやっぱり弱くて、でもそれが受け入れられなくて、という葛藤に、思わずグッと来ちゃいました。そこの振られたあなた、泣いてないんじゃないですか? 泣きたい時は、泣いてもいいんです。これはそんな、物語。是非!
男性目線からすると、女性ってやっぱり複雑な心の持ち主なんだな~、というのを感じました。自分は大丈夫、とよく言い聞かせることってあると思うんですが、これって意外に不安定の象徴なのではないでしょうか。気丈に振る舞っているつもりでも、気付けば普段やらない行動を繰り返している。そしてそれを気分転換と言い聞かせてまた繰り返し、みたいな。今作では恋愛絡みのお話でしたが、不安な時は溜め込まず吐き出すことの大切さを教えてくれる作品とも言える傑作です。