第66話 衝撃!総士と香澄の初デート 昼編

「おはようそうちゃん。待った?」

「いや、さっききたばかりだ。」


お隣さんなのに駅前で待ち合わせ。

そうちゃんと待ち合わせって夢だったんだよね。


「そうちゃん、明日のデートなんだけど駅前で待ち合わせしない?」

「隣に住んでるのにか?まあ別にいいけど。それなら俺が先に出るから後からこいよ。」

「なんで?」

「お前が1人で待ってたらナンパされるだろ?俺の心配増やすなよ。」


そうちゃんの優しさで胸いっぱいになっちゃう。


「で、結局デートコースを任せてくれってことだったけど、どこ行くんだ?」


この日のために練りに練りまくったデートプランがあるのです!


基本は街ブラだけど、ポイントは行く場所!


そうちゃんといっぱいおしゃべりをしたいから映画、カラオケはNG。


食べるところはお洒落なところより落ち着いたところ。そうちゃんは身体のこと考えてるから和食の方がいいかな?


あとはそうちゃんに服選んで欲しいな。

そろそろ冬物も出てきたしそうちゃんの好みもリサーチしなきゃ。できればランジェリーショップも行きたいけど、恥ずかしがるかな〜?あとはそうちゃんにプレゼントもしたいからサッカーショップにも行きたいな。


どうしよう。1日で足りないかな?最悪お泊りでもいいかな?そうちゃんと一緒ならお父さんもお母さんもOKするだろうし。


「ーーーみ?ーーーすみ?おい、香澄聞いてるか?」


はっ!想像してたらそうちゃんに呼ばれてたのに気付けなかった。


「ごめんね。コース再確認してたの。じゃあ行こうか。」


私は右手をおずおずと差し出した。

そうちゃんは自然な動作で手を握ってくれた。指まで絡めてくれた。


「そうちゃん。」

「どうかしたか?」


そうちゃんが優しく微笑みかけてくれる。


「幸せだなって思ったの。」

「そか。」


私は今日の予定を遂行すべく、歩き出した。


「まずはね、来年の手帳が欲しいなって思って。」


最近はずっと某有名人プロデュースの手帳を使っていたけど、そうちゃんのオススメは何かな?


「それなら某有名人プロデュースの手帳なんてどうだ?バリエーション豊富だし使いやすいぞ。」


あれ?じゃあ今のままでいいの?


「じゃあさ、この中ならどれが私に似合うと思う?」


いま使っている手帳カバーが陳列されているところを指差し聞いてみた。


「その赤のなんてどうだ?香澄が持ってると似合いそうだ。」


あれ?私が使ってるやつだね。


「こ、これ?そうなんだ。実は今これ使ってるんだ。そうちゃんと私って好みが一緒だね。」


とりあえず、今日の購入は見送ることにして冬物を見に行くことにしました。

お気に入りのショップには先月も来ましたが、そうちゃんとの来店は初めてです。


「そうちゃん、薄手のコートが欲しいんだけど見立ててもらっていい?」


「コートか?ちょっと待てよ。う〜んと。お!これなんてどうだ?黒のコートだけど色合いが綺麗だし、この形ならお前のスタイルの良さが際立つだろ。」

そんな!そうちゃんが誰よりも綺麗って言ってくれた。

でもどうしよう?

これと似たようなコート去年買ったからな〜。さっきからこんなのばっかりだなぁ。


仕方ない、かくなる上は!


「そうちゃん、次のとこ行くよ。」


ふふふ。次こそはそうちゃんに選んでもらうよ?私の勝負下着を。


「そうちゃん、ここ。ここ。ちょっと恥ずかしいんだけど、そうちゃんの趣味で選んで欲しいなって思うんだけど、お願いできる?」


「おう、いいぞ。」


そうちゃんは水色の上下セットの下着をじっくりと眺めてから「これだな。」と呟いた。

それは水色ベースに花があしらわれた下着でかわいいともセクシーとも言えるものだったんだけど一つ問題が。


「ひ、紐パン?そうちゃんはそういうのがいいんだね。」

「ん?そうだな。脱がせやすそうだし。」


脱がせやすそうって???

そうちゃんはそれを私に着させてどうするつもりなの!!!


「ち、ちょっと試着してくるから待ってて。あ、覗いちゃだめだからね。」


試着した自分の姿を見ようと思ったんだけどいろいろ想像してしまいまともに見れなかった。結局サイズだけ確認して購入。

この後の展開に備えてそのまま着ていくことにしました。


「そうちゃん、そろそろお腹空かない?」

「そうだな。店も決めてあるのか?」

「もちろん。予約してあるよ。」


私が予約したのはお刺身や天ぷらなど海鮮料理のお店。居酒屋風のお店でカップルというよりサラリーマンが多いお店。


「そうちゃん何にする?」

「俺はこの天ぷらのランチだな。香澄は?」

「私はは海鮮丼とあら汁のランチにする。」


うん。美味しかったよ。

まあオシャレな雰囲気ではないけど、そうちゃんも満足そう。


「次はね〜。そうちゃんの物を見に行きます。「俺の物?なんだよ?」

「行ってからのお楽しみ〜。」


「って、馴染みの店じゃね〜かよ!先週も来たわ!」

「まあまあ。そろそろレプリカがセールの時期でしょ?希少な3rdユニなんて狙い目じゃない?」

「ふっ。よくわかってるじゃねぇか。あれば即買いだな。」

3rdユニが店頭に並んでることはあまりない。


実は事前にお店のHPで昨日入荷したとの情報を確認済。そんなすぐには売り切れないと思うからまだあるはず。


「さて、お宝はあるかな〜?」


そうちゃんがノリノリで商品を確認していくが、一向に手が止まる気配がない。


「ん〜、やっぱりなさそうだな。2ndもセール札は付いてるからこれにするかな〜。」

「えっ?ない?」

「おっ?そんな驚くことないだろ。あるほうが希なんだから。」

そう言うとそうちゃんは2ndユニを手にしながらウンウン言いだした。


私はこっそり店員さんに詰め寄り


「すみません。HPでユーヴェの3rdユニ入荷って見たんですけど売り切れですか?」


と確認すると、


「あ〜、すみません。先程出てしまいました。次回の入荷は未定なんですよ。」


そ、そんな〜。


「どうした香澄?」

「ん〜?ちょっと予定がね。」

「は?まあいいや。とりあえず堪能したから次行こうぜ。」

「あ〜、2ndはいいの?」

「無理して買うまでもないかな。またの機会にするわ。」

そう言うとそうちゃんは私の頭にポンと手を置き先を促した。


「えへへへ〜。うん。次行こうか。はい!」

私は右手を差し出してそうちゃんの手を握った。


今日は駅近くにある公園で世界的なコスプレの大会があるらしく、街中には多くのコスプレイヤーが溢れてた。


やはりと言うか、露出が多い女性が歩いてる姿が目に止まる。


隣のそうちゃんはと言うと、あまり周りは気にしてない様子。


「そうちゃん、セクシーなお姉さんは嫌いですか?」

「は?なんだ突然。男なんだから嫌いな訳ないだろ。でも今日は気にならないかな。お前が隣にいるからな。」


そうちゃん。


セクシーなコスプレイヤーと比べられるのもなんだかなって感じもするけど、私以外眼中にないって!


こんな幸せがずっと続くといいな。


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