第5話
この世界では男性が産まれる確率が限りなく少ないらしい。その結果、男性は相手を選び放題になり好みの相手にしか反応出来なくなってしまったらしい。女性側も多少の好みはあれど相手に選ばれる確率が少なすぎるので誰でも問題ないみたいな状態だと聞いた。
ウルは3人、エルバは5人の特定の相手が居ると言っていた。
子供も居るらしいが、子供は産まれたら集幼院と呼ばれる所に預け、子供を産んだ経験者達によって育てられるらしい。その為、子供の顔を知らないと言っていた。逆に、ウルやエルバも親の顔を知らないとか。
そんな状態だと人口減少が激しいのでは無いかと聞いた。
なんでも、この世界では子供は3ヶ月程度で産まれるらしい。そして、子供が多ければ多いだけ国から給金が出るので特定の相手と何度も子供を作る様だ。
その為、人口は減る所か増えるらしい。恐るべし異世界。それに伴い、集幼院の人材不足も問題になっているとか。
「正直その程度の問題なら、まだ何とかなるんだがもっと大きい問題もある。それは男を巡った戦争だ。」
男の数=国力と言っても過言ではないこの世界では、男を攫い自国の女性で特定の相手を見つける様にするらしい。
酷いとこでは人体実験にされたり、薬を使って無理矢理させる事もあると言う。
「薬を使われると、1ヶ月後には賢者状態。所謂男としての価値が無くなる。その為、一日で何人もの女と交じ合わせるらしい。そして価値が無くなれば人体実験として使われる。」
ウルから想像を絶する話を聞いた。
反応しなくても、実験体として使う場所もあるようだ。
これは流石に血の気が引いた。もし、場所が悪ければ自分がそうなっていたのかもしれない。
「安心してくれ、ここからかなり遠い嫌われた国だ。うちの国じゃそんな事はやらない。多くの国は自由を重んじるからな。」
他には、男は数が少ないから仲間意識が高かったりするとか、色々な町を巡って特定の相手を探す旅人も居たりするらしい。
旅人は、街で歓待を受け気に入ればその場に住み着く様だ。男が住み着けばそこの人口が増えるし、多くの女性にチャンスが回ってくるので歓待するのだそうだ。
「君は、旅人の扱いになる。色々落ち着く迄は、ここに居て欲しいがどうだろう?」
「是非お願いします。」
ウルの提案はこちらとしてはとても助かるものだった。
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