第4話

しばらく歩くととても大きな建物を見つける。

そこはあまりガラスを使っていないので中は分からない。そのため、近くのエルバに聞く。

「あの大きい建物はなんですか?」

「ん?あぁ、あれは子供を育てる所さ」

子供を育てる所?幼稚園見たいなものだろうか。

「そうか。これもわからないのか!本当に大変だなあ。」

そんなエルバに申し訳なくなる。

「ごめんなさい。」

謝るとエルバは慌てて否定する。

「そんな!謝る必要なんかないさ!色々と教えてあげるよ!男同士仲良くしないとな!」

そんな話をしてるとウルも混ざる。

「そうだ。何があったにせよ、俺達は男同士だ。だから助け合うのさ。色々考えていたが、やはり一旦はこの町に腰を据えてみてはどうだろう。もし色々と思い出せたら、その時にまた考えよう。」

突然の申し出だが、何も無い自分にはとても有難い申し出だった。

「ありがとうございます!本当に何も分からなくて不安だったので、お願いします。」

そうして今後の方針が決まった。

「とりあえず家に着いたら色々教える。もう少しで着く。あの建物だ」

そう言ってウルが指さした建物は、とても大きな家だった。

大きな門の前に掃除している妙齢の男性がいる。

「ウルさん。おかえりなさい。おや、そちらの方は初めましてですね。」

「彼は、今日からこの町に住むことになった旅人だ。しかし、少し訳ありでな。色々と昔の事が分からないらしい。それだけでなく、学んだ事も分からなくなっているようだ。」

妙齢の男性は同情の表情を浮べこちらに向く。

「それはそれは、何かあれば私が最大限お助けしますよ。」

「宜しくお願い致します。」

お辞儀をされたので、こちらもお辞儀で返す。

「そんな訳だから爺さん、書庫の鍵を渡してくれ」

ウルがそう言うと、男性は胸ポケットから真ん中に宝石の様な物が埋め込まれた板状の物を渡す。

「では、適当な頃合に書庫に向かいますので」

そう言って、男性は掃除に戻った。


ウルに着いて行くと高級ホテル見たいな屋敷があった。

三階建て位で、横幅はどれだけあるのか分からない。

中に入って少し歩くと鍵の掛かった扉があり、中は書斎の様になっていた。

「ここには色々な書物があるからこれを使って色々教えよう。疲れてるかも知れないが今から最低限、覚えて欲しい事を教える。」

そう言ってウルとエルバは様々な事を教えてくれた。

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