第3話

ウルは門番の女性と話し始めた。

その声は聞こえないが、時折こちらを見ている。

余所者の自分の事を説明してくれているようだ。

--------------

「おかえりウル。珍しいな。男の旅人か?いい容姿してるな。見てるだけで濡れそう。私をお気に召さないかなぁ。」

流石に見るだけでここまで息遣いが荒くなるのに引く。なので釘を刺しておく。

「それが森で彷徨ってた所を保護した様な形なんだ。どうやら何も分からないらしい。乱暴な事をされた雰囲気は無いが、薬か何かがあったんじゃ無いかと俺たちは思ってる。変な事して賢者にならない様にしないといけない」

そう言うと、門番の様な女性は溜め息を吐く。

「はぁ、わかったよ。その辺は男に任せる。大丈夫になったら教えてくれよ。名前はなんて言うんだ?」

「名前は今考えてるところだ。とりあえず、彼の鍵を作ってくれ。犯罪者だとは思えないが、一応責任者は俺がなる。」

「分かったよ。あの男なら私が責任者になったって良いさ。明日には渡すから今日はそのまま通っていいよ。」

会話が終わったら後は笑顔で彼に手を振っている。

媚びを売ってるのが丸わかりだ。

しかし、媚びを売られてるのが分からないのか彼も笑顔で手を振り返す。

それだけで、再び息が荒くなるコイツは相当な奴だ。

がっつき過ぎて、引かれるからお気に召されないんだろうと思う。俺も無理だ。


ウルの話が終わったみたいだ。こっちに歩いてくる。

門番の女性は笑顔で手を振ってくれる。みんな優しい良い人だ。笑って手を振り返す。

「じゃあアマンダはここで1回お別れだ。俺達は彼を連れて家に向かう。」

そう言うとアマンダは残念そうな顔をしてからこっちを向く。

「さっき話してた美味い店一緒に行こうな!待ってるからな!」

必死さを感じた。さっき聞いた話では彼女は独身の様なのでもしかしたら自分を狙っているのかもしれない。

でも、彼女の容姿は良く、胸も大きい。それに人柄も良いので好ましい。何かあっても問題なさそうなので承諾した。

「もちろん。楽しみにしてますね。」

そう言うとアマンダは嬉しそうに返事する。

「絶対だからな!楽しみにしてるからな!」

「はい!」

そんな会話が終わり、ウル達について歩いて行く。

少し歩くと店が建ち並んでいる。

予想では近世の様な建物かと思っていたが、その予想は外れた。この町は近代的な町だった。

高層ビルは無いが、一軒一軒立派な家や商店が建ち並ぶ。ガラスも使われており、中の雰囲気も近代的なお店の様だ。賭博場所や飲食店など様々な店が建ち並ぶ。

しかし、多くの従業員は女性。男性は殆ど見かけない。

もしかすると、ウル達の用に皆狩りに出てたり、1箇所にいる可能性もあるのだろうか。

そしてもう一点大事な事がある。

女性の服装がとても露出が高いのだ。

中には裸同然の人までいる。

他には布1枚で隠れていたり。ピッタリ体のラインが出て大事な所の形までしっかり分かってしまう。

それを見ると大事な所が反応してしまう。

今はそんな事を考えてる場合じゃないと自分に言い聞かせ、辺りを見回すのをやめた。

そんな事情を知らないエルバはあそこの店の服が良いとか、あそこの店は高いとか、流行りはこの店だとか色々と教えてくれるのだった。

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